弁護士 豊崎寿昌

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2008年02月

2008年02月27日

X300!

昨日、ThinkPad X300が発表されました


Xシリーズの名前を冠していますが、型番が二桁から三桁に上がり、ドッキングステーションを持つ1スピンドルマシンではなく、内蔵ドライブを持つマシンに変わっていますので、直系のXシリーズというよりは、新しいコンセプトのマシンと考えた方がよさそうです。

内蔵ドライブを備えたのはSONYや松下の同系統のマシンに対抗するためでしょうが、そのため標準のバッテリ駆動時間が3.2時間程度と、かなりしょぼい数値になってしまっているのが残念。これを延ばすために拡張バッテリをつけるためにはDVDスーパーマルチドライブを取り外す必要があり、結局1スピンドルマシン化してしまうのはいかがなものでしょうか。

また、XPであれば、CPUのCore 2 Duo SL7100(1.2GHz)は何の不満も感じない性能でしょうが、VISTAの場合はこれで大丈夫か、多少不安です。まあHDDではなくSSDが搭載されていることで、CPUの不安を補えるかも知れませんが。

また、SSD搭載というのは一つの英断かも知れませんが、現在使用しているX60sのHDDを250GBに換装し、うち104GBも使用している私としては、64GBのSSDにどうやってデータを絞り込むかはかなり難題です。また、1.8インチという特殊なSSDなので、当面換装手段もなさそうですね。

いずれにせよ、かなり思い切って機能を絞り込んだモデルですが、SSDによる高価格で、果たして売れてくれるかどうか。

2008年02月05日

「日弁連はなぜ負けたのか」

という長大な論考が大阪のとある弁護士のブログに8回にわたって連載されているのを知りました。

1994年の法曹三者協議の中での日弁連の挫折まで遡って考察しており、なかなか説得的な考証です。もちろん、司法改革審議会の中枢に入っていた日弁連関係者の方からは、もっと違う意見が出てきそうですが、今の日弁連の分裂した状況や、若手の「司法改革」疲れに対しては、もっとも訴えかける内容ではないでしょうかね。

日弁連は、司法改革を通じて、裁判員制度や法テラス設置などの政策を、内部的には「勝った勝った」と宣伝してきた訳ですが、それらはともかく、少なくとも人口問題に関しては、決して勝ったわけではなく、負けに負けたという事実をひた隠しにしてきたような気がします。弁護士人口5万人を達成するためには、人口政策で言えば、年間合格者は1200~1500人程度でいいはずであり、それを3000人とされてしまったことは、まぎれもない敗北です。その敗北感を弁護士の中で共有できなかったところに、本日の混乱の種があるのではないでしょうかね。

このブログの弁護士は、中坊氏を「敗戦処理投手」とまで喝破していますが、そうだとするならば、今回当選する会長もまた、混乱を引き受ける二度目の敗戦処理投手ということになるような気がしますね。

証人尋問期日

本日まで、ある民事事件で証人尋問ラッシュが終わりました。

1月29日午後、31日午前、本日午前とたった1週間の間に尋問期日を3日も入れ、本人、証人併せて6人を尋問するという強行軍の日程でしたが、民事訴訟法の理想に従った天晴れな訴訟進行かというと、実は担当裁判官が転勤間近で無理矢理日程を詰め込まれただけという裏事情があります(^^;だからといって、弁護士会の選挙で忙しいときに重ねてくれなくてもいいのでは?と思わないではないですが…

私自身は、実は尋問は嫌いではありません。というより、結構好きな方だと自負しています。最近では、尋問で失敗したことはないという点で、控えめな私(?)としては、結構自信があります。というより、尋問というのは、弁護士が弁護士たる最大の見せ場であって、これを避けたがったり苦手とする弁護士がいるのがむしろ信じられないという気持ちです。

尋問の成功には、近道はありません。どれだけ事件記録を読み込み、関係者と打ち合わせを行い、事前準備を尽くしたかで8割以上成否が決まってきます。その場のひらめきやテクニックは残る2割に過ぎません。

しかし、私の見るところ、この事前準備を軽視しているとしか思えない相手方代理人が非常に多いのです。その結果、何が起こるかというと、何と相手方証人や本人が、主尋問の段階でばたばた崩れてくれてしまうことが結構あります。事前に裁判所に出した陳述書をなぞればいいはずの主尋問で、あろうことかいきなり違うことを言い出す方の何と多いことか。あまり崩れてくれると、反対尋問の前提がなくなってしまって、反対尋問の準備をした意味がなくなるのでは思うことさえあります。

とはいえ、本日までの3連発の尋問期日のあった事件は、実は被告が多数で私は脇役的な被告の代理人だったので、尋問すべきこともあまりなく、また持ち時間自体少なくて、聞いている時間の方が圧倒的に多かったため、非常にストレスのたまった時間でした。

2008年02月01日

公聴会(2)

本日は、日弁連会長選挙の東京地区公聴会でした。

なかなかマスコミでも話題になってますね。

熱い戦い日弁連会長選、司法制度改革に影響も 2年に1度の日本弁護士連合会(日弁連)の次期会長選が例年になく注目されている。平成22年までに司法試験合格者を年間3000人に増やす政府目標に対し、各地の弁護士会から異論が相次ぎ、選挙の大きな争点となっているからだ。法曹人口拡大は司法制度改革の柱の1つで、選挙の結果次第では司法制度改革に影響を及ぼす可能性もある。

でもって、何でタイトルが(2)かというと、2年前の会長選でも公聴会に行かされたからです。ええ、今回も行きたくて行ったわけではなく、派閥の天の声が降ってきて、行かされました。

まあ、昨年夏からなぜか派閥の政策研究会の人口問題担当者にされたりして、今回もその流れで人口問題の観点からM候補、T候補に質問せいということで、例によって質問内容まで天から降ってきましたが、さすがに私も2年前と同じわけにもいかず、多少自分で手を入れて以下のようにしてみました。

これまでの公聴会でも何度となく質問されたこととは思いますが、法曹人口問題について、両候補に対し、掲げる政策の実現可能性の観点などからお聞きします。
M先生は、司法試験合格者数についての「2010年3000人」という数値目標について、「スピードダウン」という表現で見直しを主張されていると聞いております。また、法曹人口の適正規模についても時機を失せず提言すると言っておられます。一方で、T先生は、2010年3000人の数値目標を直ちに撤回すると主張されています。してみると、法曹人口について、当面の方向性では両候補に180度の違いがあるわけではなく、異なる点は、3000人の見直しあるいは撤回に関する具体的な手法についてのお考えだと思われます。
そこで、まずM先生にお聞きしますが、3000人に関し、スピードダウンという観点から見直しを図るという、非常に微妙な表現にとどまっておられることに対し、歯がゆい思いをしている会員も多いかと思いますが、なぜそのような表現にとどまらざるを得ないのかについての現状認識をお聞かせいただきたいのと、法務省の3000人見直しの検討開始の報道など政府の動向も踏まえた上で、4月以降、具体的にどのような行動を取って行かれるつもりか、そして法曹人口に関する最終的な着地点はどこを目指すべきかをお聞かせ下さい。
次にT先生にお聞きしますが、T先生のご主張は非常に明快で、正直痛快に思える部分もありますが、実際、会長に就任された場合、既に法科大学院が設立され、新司法試験が開始されている現在、どのように先生のご主張を実現するのかについて、今ひとつ明確でありません。仮に政府方針を撤回させるとして、どのような実現プロセスを取り、さらに法曹人口に関する最終的な着地点はどこを目指されているのか、お聞かせ下さい。

まあ、これでも見る人が見れば、私がどの立場から質問しているのかはバレバレでしょうが、それでも当初案の一方べったりの提灯質問からはずいぶんニュートラルに仕上げたつもりです。

それにしても、たしか2年前の公聴会は、200人程度は出席していたように思えますが、今回は見渡してみても半分程度しか出席者がおらず、弁護士人口問題で弁護士会が沸騰していると思いきや、会場の雰囲気は低調でした。特に人口問題に関して最も切実であるはずの若手の出席はほとんどないところがむしろ現在の弁護士会の議論の問題点を示しているように思われます。私もこうして呼ばれなきゃ行かないもんなぁ。

もう一つ、せっかく他の用事をキャンセルしてまで出席したのですが、今回は質問数が多いと言うことで、事前に届け出た質問を司会者が一方的に読み上げ、候補者が淡々と答弁するというスタイルで進行されたため、両陣営の支持者がヤジの応酬をする場面もなく、非常に盛り上がらないままに終わりました。ヤジがないのはいいとして、読み上げてくれるんなら、私が出席しなくてもよかったような…また騙された!

弁護士 豊崎 寿昌

(とよさき としあき)

弁護士 豊崎寿昌

  • 東京弁護士会所属
  • 由岐・豊崎・榎本法律事務所(東京・八丁堀1丁目)パートナー

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