最近、何か弁護士会内の下世話な人事の話ばかりで大変恐縮なのですが。。。
本日、法友会(私の入っている東京弁護士会内の派閥の大きい単位の方)の「人事委員会」でした。人事委員会って何をするかというと、弁護士会の人事に関する案件を派閥レベルで議論する、要は弁護士会の選挙のためのような委員会です。要は、東京弁護士会の会長とか、副会長の候補者として、派閥単位で擁立する人をこの委員会で選ぶわけです。
この選び方が非常にユニークというか何というか。名前を「あら選び」というそうです。
「あら選び」とは、出席した人事委員が、投票用紙を渡されて、とにかく本人の了解なんかいらないから、自薦・他薦を問わず、会長候補や副会長候補にふさわしいと思われる方を記入して、投票するわけです。しかし、この時点では票数を数えたりなんかしません。事務局側は、書かれた名前を片っ端からホワイトボードに列挙していくので、1票でも入れば、ホワイトボードに名前が載ってしまうわけですね。
そうすると、次に何をやるかというと、法友会を構成する11の小さな派閥は、自派閥で名前の出た人について、次回人事委員会までに意向を聞いてくる義務が生じるそうです。本人の意向なんかおかまいなしに勝手に誰が書いたともわからない票に基づいて、意向を確認しないといけないのですから、民主的なんだかよくわかりません。聞くところによると、こんなことをやるのはどうも法友会だけらしいのです。
で、前回の10月の人事委員会で、会長候補、副会長候補とも、実に多数の名前が挙げられておりました。
しかし、これは実は、表向きの話であって、実際には、前回の人事委員会の前に、事実上は会長候補、副会長候補ともに水面下で決まっているのですね。それなのに、こんなに名前が挙げられちゃっていったいどうするの?と訝しんでいたら、今回の人事委員会では、各小派閥から、予め水面下で決まっていた会長候補、副会長候補以外の方は、全員「本人に意向を伺ったが、出馬の意思なしということでした」という報告が挙げられ、めでたく当初の予定通りの候補者に落ち着きました。ああ、何という予定調和的な、20年前の自民党を見るような出来レース!!感動的とさえいえます(笑)
ところがです。今回は、引き続いて、日弁連理事の「あら選び」が行われたのですが、実は日弁連理事に関しては、まだ水面下で全く絞り込まれていない模様なのです。そのため、種々雑多なお名前が出ましたが、出来レースにできないもので、各小派閥のトップは「どうするの?」「困ったなあ」というお顔をして帰っていきました。聞くところによると、例年日弁連理事の候補者選考は、年明け頃に行われるので(そういえば私が口説かれたのも忘年会シーズンだった)、今年は「あら選び」が早すぎるのでは?という感じだそうです。どうやら法友会の執行部の勇み足だったようです。どうするんでしょうね。
ところで、この「あら選び」、「あら」の部分は本来漢字ではないのかと思って、先輩弁護士に聞くと、昔は確かに「粗選び」と言ったそうです。「粗」という字の語感が喜ばれないためにひらがなになっているのかも知れませんが、いずれにせよへんな言葉です。
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