国選弁護人:無罪なら報酬加算…最高で倍額 1日から導入
法務省は30日、刑事裁判で無罪判決を勝ち取った国選弁護人に対し、通常より加算した報酬を支給することを決め、総合法律支援法に基づき報酬を支払っている日本司法支援センター(法テラス)に通知した。11月1日から施行する。私選弁護人に比べ国選弁護人は報酬が低く割にあわないとされており、改善を求めていた弁護士会サイドの意向をくんだ。
もともと国選弁護人の報酬は、国選弁護をきちんとやろうとした弁護人にとっては、事務所を経営する最低限の維持費にすら見合わないようなものでしたが、昨年10月に法テラスが国選弁護の報酬決定に関わるようになってから、基準は客観化されたものの、むしろ報酬が下がる例が続出し、現場の弁護士から強い不満が出ていました。また基準自体も、「無罪」についての成功報酬が一切認められていないという点が、もっとも批判されてきました。
それからすると、今回の改訂は、一歩前進ではありますが、肝心の加算額は、全部無罪の場合でも、50万円が上限だそうです。全部無罪事件を勝ち取るのに要する弁護人の労力からすると、まだまだ人をバカにしたような上限だと思わざるを得ません。事件の状況によって差異はあっていいものの、せめて上限は100万にはして欲しかったですが。
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有罪もしくは、無罪という結果によって、弁護報酬の増加を考慮する必要性についてのご意見と思われますが、私見といたしましては、事案の総合的な諸問題を積算して、決定すべき事項であるべきなのに、現行の規定は、戦うまえから、武器を用意させないで、最前線に放り出されるものと考えられます。弁護人の譲ることの出来ない絶対条件である被告人の利益確保、真実の解明に向き合うための関係証拠物の収集、被告人への謄写費用、打ち合わせのための拘置所通いの費用、などなど、検察は、公権力にものを言わせて強制的に行うことが出来ることも、弁護人が手弁当で出来ることは・・・ 面会所で、日に日に接見禁止という名の拷問に疲弊していく被告人とガラス越しにしてやれることは、考えれば考えるほどに、科学に置き去りにされている現状の打破に外ならないのです。証言の真否、被告人供述の真否の医科学的判定(ポリグラフ、脳MRI画像診断など)、面会時の面会人との、面会内容の時差検閲(罪証隠滅行為のないことを確認してから、ビデオを送って、ほとんど同時の面会)を実現するハイテク分野の、被告人サイドの後れを充実させることで、検察側と対等に戦うことができるのであり、その結果として、当然帰着されるレベルが自動的に算出されるシステムを構築することで、ブローバックの数値設定を要求すべきであるといえます。
投稿者 高橋 : 2008年04月11日 22:06