司法修習生71人が「卒業不合格」 最高裁は3日、司法試験に合格した司法修習生が法曹資格を得るための卒業試験の結果を発表した。 不合格者は、昨年度の16人を大きく上回る71人に上り、過去最多となった。最高裁では「今年度から追試制度が廃止されたため」と説明している。
昨年9月29日の日誌に対応する今年のニュースです。
昨年と受験者数はほぼ同じ約1500名、これに対し、昨年は不合格が10名、合格留保(追試)が97名で、本年度は不合格が71名です。追試が廃止されたことを考えると、合格留保を含めた「落第」はむしろ昨年より減っていることになりそうです。それでは本年度の現行60期(法科大学院組の「新60期」と区別するためにこう呼ぶ)は、現行59期よりはましだったのか?それとも皆「不合格」になってしまうことで、研修所側が合格基準を少しゆるめざるを得なかったのか?
実を言うと、追試自体は廃止されていますが、現行60期は、11月に行われる新60期の卒業試験を受験することが可能です。これが実質的には追試の役目を果たしているわけです。
これに対し、新60期は、まさに追試の機能を果たす試験がありません。来年の現行61期まで待たないと行けません。従って、新60期の卒業試験の結果がどうなるのか、これによって、新司法試験の評価とともに、研修所の姿勢が見えてくるような気がします。
ところで、昨年の記事を見ればわかるように、昨年の合否発表は9月29日、本年は9月3日で、1ヶ月ずれています。これは、新司法修習が始まることから、研修所のキャパがパンク状態になって、現行60期は2回試験も早まり、何と終了式(卒業式)も行わず、卒業試験の合否発表を通知しただけで終わってしまうようです。修習修了の風情もへったくれもありません。法律家粗製濫造時代の幕開けとならないことを期待します。
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