また更新が滞りがちな間に超えてました。感謝。
9月2日の日誌で触れた足底筋膜炎の治療のため、本日病院に行ってきました。
え?休日なのにって?そうですが、そこは知り合いの誼で、休日診療を無理にお願いして、注射を打ってもらいました。これが足の裏に打つステロイド注射ですが、めちゃくちゃ痛い。気合いを入れていないと悲鳴が出そうです。昨年末に打ってもらった際は、1週間ほどで劇的に効いたので、今回も期待してます。
で、治療が終わった後は、そのまま事務所へ出勤。間近に迫っている控訴審の答弁書の準備に向かいました。鞄を持ってうろうろしなければ、足も治るはずなんですがねえ。
先週の三連休の終わりから、どうも体調が今ひとつと思っていたら、火曜日からてきめんに風邪症状が出てしまいました。
幸い、ぶっ倒れるほどではありませんでしたが、微熱が続いてかったるいことこの上ない状態で今週が終わりました。
しかも、今週は、幸か不幸か、水曜日に姫路出張、本日が岐阜出張と、地方出張続き。新幹線で寝て睡眠不足を解消できるのはラッキーかも知れませんが、こういうときに限って、グリーン車を予約しても、隣の席に人が座ってきたり(グリーン車だと結構空いているのですが)、賑やかな団体に相席してしまったりして、今ひとつ休養にならずに終わってしまいました。トホホ。
本日から、当事務所に、新たに司法修習を修了した寺林智栄弁護士が加わりました。
同弁護士は、当事務所で1年間弁護士としての経験を積んだ後、日本司法支援センターのスタッフ弁護士として勤務することが予定されています。
法科大学院の卒業生が受験する「新司法試験」の合格発表があったようです。
法学未修者に「狭き門」、合格率32% 新司法試験
新試験は今年が2回目。全体の受験者は4607人で合格者は1851人。合格者は前回より842人増えたが受験者数も倍以上で、合格率は前回の48.3%から40.2%に下がった。合格者の年齢は56~24歳で平均は29.2歳、女性は28%の517人。未修者は1965人中635人、既修者は2642人中1216人が合格した。
気になるのは、合格者数が1800人台にとどめられた点。事前に表明されていたライン(1800~2200人)の下限付近です。昨年の新司法試験の場合、事前設定ラインは900~1100人とされ、合格者は1009人ですから見事にラインの中央値でした。ですから今年も事前の予想では、2000人合格、というのが大方の見方だったようです。
これが何を意味するのか、11月に発表される旧司法試験の方も見てみないと最終的なことは言えませんが、法曹人口増加を巡る弁護士会の慎重意見が高まっていること、最近の大量合格の結果、司法修習生の質の低下がささやかれていることなどが背景となって、法務省が微妙に腰が引けた、と捉えられなくもありません。鳩山法相の法曹人口増加慎重論も背後にあるか?
一方で、こんな報道もありました。
52人を判事補として採用 最高裁が内定
最高裁は12日、05年の旧司法試験に合格した「旧60期」の司法修習生1397人(女性335人)の中から52人(同18人)を判事補として採用することを内定した。
これは、修習生の数に対しては驚くべき少ない数字です。昨年はほぼ同数の修習生に対し、115人の任官ですから。どうも、12月に修習を終える新修習組とあわせて例年程度の採用しかするつもりがないようですね。
司法試験合格者を増加させて法曹人口を増やそうという政策は、別段弁護士だけを増やすというものではなく、裁判官も検察官も、皆増加させ、司法の器そのものを大きくしようという発想の下に導入されたはずですが、最高裁はそんなつもりは全くないようです。
安部総理の突然の辞任についていろいろと批判がされていますが、私も、報道されているように健康不安が背景にあったとしても、いくら何でもこのタイミングはないよなあ、という気がしています。
自ら内閣改造を行い、臨時国会を召集し、所信表明まで行って、さあ代表質問というタイミングです。野党も、閣僚も、官僚も、さぞやずっここけたことでしょう。
弁護士に例えれば、無理筋に近い訴訟を起こし、裁判官から「名誉ある撤退」に近い和解案を受け入れるよう進められたのにこれを蹴飛ばし、証人尋問に突入し、主尋問を行って、これから被告側代理人による反対尋問に立ち向かう、という時点で突如辞任したという感じでしょうか。当然、裁判官の心証は最悪でしょうし、依頼者は激怒するでしょうね。
安部総理の行動を見ていて疑問に思うのは、民主主義国家の首相であるはずなのに、「国民の負託」に応えるという意味での責任感がどうも薄いように感じられる点です。不祥事を起こした閣僚への対応しかり、前回通常国会の強行採決の連続しかり、安部さんは、「自分がやらねば」という気負いは感じられますが、それは何か個人的なレベルの思いにとどまっていて、「誰のために」やるのか、という点の意識が弱いようです。いくら安部さんがよかれと思い、歴史的には評価されると思った政策でも、議論を封じ、数の力に頼っただけの採決を繰り返してばかりでは、負託者である国民は理解できないでしょう。
参院選で惨敗しながら、続投を決めた点もそうです。いくら惨敗したと言っても、なお自民党に投票した有権者は相当数おり、安部政権を支持する国民も一定数いたのでしたから、安部さんは、その貴重な負託者の思いを大事にして政権運営をしていく責任があったはずです。それが、今回のようなタイミングでの辞任では、やはり自分の思いだけで続投にこだわっていた(だから勝手に気持ちが切れて勝手に辞任する気になった)ようにしか見えませんね。
無理矢理弁護士の話題に引きつけているようで恐縮ですが、弁護士だって、引き受けたはいいものの、いざ始めてみたら予想に反して負け筋の事件であったことが判明し、相手方代理人も手強く、裁判官も冷たく、にっちもさっちもいかなくなってしまいそうになる経験は誰しもあります。でも、だからといって、自分の気持ちが切れたことを理由に依頼者を放り出して辞任などはできません。そんなことをしたら、依頼者から懲戒請求を受けかねませんしね。
一方で、肝心の依頼者との信頼関係が切れてしまえば、残念ながら辞任せざるを得ない場合もあります。私も、少年事件で、少年本人がある時期から急に私との面会を事実上拒否するようになり(どうも刑事に何か吹き込まれたらしい)、一方でご両親もコンタクトが取れなくなり(どうもお金を払うのがいやになったらしい)、やむを得ず審判3週間前を切ってから私選付添人を辞任せざるを得ないという悲しい思いをした経験があります(このときはたぶん裁判所には相当ムッとされたでしょう)。
昨日の続きです。
司法修習生の就職難は、数の推移を見れば、至極自然に生じたもののように見えます。
司法研修所を卒業する司法修習生のうち、裁判官・検察官に任官する者や、ごく少数ながら弁護士登録をせずに学者等になる方を除いた残りは、弁護士登録を希望します。弁護士登録といっても、もともと何らかのキャリアや人脈を持っていて、いきなり開業するだけの地盤のある方以外は既存の法律事務所等に「就職」です。
司法研修所の卒業生は、かつては500人、私の時(48期)で700人、2001年で1000人、2004年に1200人、2006年に1500人となりました。既に、ここ数年かなりのハイペースでの増加が続いており、新人弁護士の採用市場も徐々に「買い手市場」となっていました。そこに、本年いきなり1年間で2500名です。混乱が生じるのも当たり前です。
年ごとの合格者で見ると、まだ実は年間の合格者は、昨年で旧試験=500人、新試験=1000人で、昨年度の合格者自体は増えていません。本年度が旧試験=300人(予想です)、新試験=1850人で、合計2100人超と、ぐっと増えていくことになります。合格者の激増に先立って、就職市場の混乱が生じたのは、新試験組は、司法修習期間が短く(およそ1年)、前年度の旧試験組と卒業年度がかぶるからです。
どうも、司法改革の名の下に、3000人計画が導入されたころは、司法の需要は青天井で、数年のうちに、企業や官公庁などでの「組織内弁護士」の需要がぐっと増えていくと、弁護士会側が楽観視していた嫌いがあります。しかし、実際は、徐々に増えてはいるものの、日本での組織内弁護士は、いまだ期待された数からは一桁少ない需要しかないようですし、そもそも企業が欲する人材は、一定程度経験を積んだ弁護士であって、新人はお呼びでない場合が多いようです。私としては、少なくとも法曹人口政策に関しては、日弁連は短期的には見通しを大きく誤ったようにしか思えません。
本日、表記のようなシンポジウムのパネリストを務めました(写真一番左が私)。
シンポジウムといっても、東京弁護士会内の派閥(法友会)の政策委員会主催の身内向けのものですが。いったい何人集まるのか疑問に思っていましたが、一応弁護士数十人に加え、司法修習生やロースクールの学生さんも何人か出席していただき、かっこうがつきました。
さて、「法曹人口問題」とは、とりもなおさず弁護士の人口増問題=司法試験の合格者数問題です。
司法試験の合格者数は、戦後長らく500人前後という時代が続きましたが、1991年ころから徐々に増加が図られてきました。私が合格した1993年には700人、1999年には1000人にまで増やされました。
ところが、この99年ころから政財界で司法改革に対する機運(捉えようによっては圧力)が高まり、政府の下に設置された司法改革審議会が2001年に意見書をまとめました。
この中で、法曹人口については、
・現行司法試験合格者数の増加に直ちに着手し、平成16(2004)年には合格者数1,500人達成を目指すべきである。
・法科大学院を含む新たな法曹養成制度の整備の状況等を見定めながら、平成22(2010)年ころには新司法試験の合格者数の年間3,000人達成を目指すべきである。
・このような法曹人口増加の経過により、おおむね平成30(2018)年ころまでには、実働法曹人口は5万人規模に達することが見込まれる。
という方針が打ち出され、劇的な法曹人口の増加の方針が決まったわけです。
日弁連は、長らく法曹人口(特に弁護士人口)の増加については消極的な態度を取っていましたが、この審議会の設置に伴って、司法改革の推進の中で人口増に積極的に賛成する方針に転換し、2000年の暮れに、「法曹人口については、法曹一元制の実現を期して、憲法と世界人権宣言の基本理念による「法の支配」を社会の隅々にまでゆきわたらせ、社会のさまざまな分野・地域における法的需要を満たすために、国民が必要とする数を、質を維持しながら確保するよう努める。」という総会決議を採択しました(明確な数は書いていませんが、日弁連が実質的に「3000名」を受け入れたものとされています)。
この「司法試験合格3000名」という方針に沿って、今までにない多数の法律家を養成する仕組みとして、法科大学院(アメリカのロー・スクールを模したもの)が導入され、本年12月には、初めて法科大学院卒業組が司法修習を修了し、法律家の資格を得て弁護士となることになります(従来の司法修習と対比して、「新60期」と呼ばれます)。
ところが、この新60期の就職がままならない状態です。現時点で、約1000人中、弁護士になると目されているのが800名程度ですが、100人以上が就職が内定していない状態ではないかと危惧されているようです。
就職が難航しているのは、本年度は、法科大学院の卒業生を対象にした新司法修習(新60期、約1000名)と、従来の合格者を対象にした現行司法修習(現行60期、約1500名)の卒業が重なり、結局1年間に2500名もの法律家が誕生する見込みのためです。
現行60期は先週、司法修習を修了して(9月3日の日誌参照)、既に弁護士志望の方は弁護士登録したはずですが、直前の8月の調査でも、60名以上が就職が決まっていない状態だったようです。
なぜ、このような事態が生じているのか?長くなりましたので続きは次回で。
気がつくと、今週は会務&閥務の嵐になっていました。
月曜日 夜 春秋会代表委員会
火曜日 昼 春秋会困りごと相談会
午後 東弁法教育委員会の模擬裁判事前指導
夜 法友会組織強化委員会&人事委員会
水曜日 午前 東弁法教育委員会の模擬裁判本番
夕方 法友会政策委員会のシンポジウム打ち合わせ
夜 春秋会執行部会
木曜日 なし
金曜日 夕方 法友会政策委員会のシンポジウム
特にひどいのが明日。
上記の合間の午後1時から4時は、東京弁護士会の法律相談のため、明日は事務所に行けなさそうです。
夏休み気分もぬけて、さあ頑張るぞ!という気分の9月の第1週だというのに、仕事させてくれ~。
司法修習生71人が「卒業不合格」 最高裁は3日、司法試験に合格した司法修習生が法曹資格を得るための卒業試験の結果を発表した。 不合格者は、昨年度の16人を大きく上回る71人に上り、過去最多となった。最高裁では「今年度から追試制度が廃止されたため」と説明している。
昨年9月29日の日誌に対応する今年のニュースです。
昨年と受験者数はほぼ同じ約1500名、これに対し、昨年は不合格が10名、合格留保(追試)が97名で、本年度は不合格が71名です。追試が廃止されたことを考えると、合格留保を含めた「落第」はむしろ昨年より減っていることになりそうです。それでは本年度の現行60期(法科大学院組の「新60期」と区別するためにこう呼ぶ)は、現行59期よりはましだったのか?それとも皆「不合格」になってしまうことで、研修所側が合格基準を少しゆるめざるを得なかったのか?
実を言うと、追試自体は廃止されていますが、現行60期は、11月に行われる新60期の卒業試験を受験することが可能です。これが実質的には追試の役目を果たしているわけです。
これに対し、新60期は、まさに追試の機能を果たす試験がありません。来年の現行61期まで待たないと行けません。従って、新60期の卒業試験の結果がどうなるのか、これによって、新司法試験の評価とともに、研修所の姿勢が見えてくるような気がします。
ところで、昨年の記事を見ればわかるように、昨年の合否発表は9月29日、本年は9月3日で、1ヶ月ずれています。これは、新司法修習が始まることから、研修所のキャパがパンク状態になって、現行60期は2回試験も早まり、何と終了式(卒業式)も行わず、卒業試験の合否発表を通知しただけで終わってしまうようです。修習修了の風情もへったくれもありません。法律家粗製濫造時代の幕開けとならないことを期待します。
2005年5月8日、2006年9月1日に続いてまた鞄の話ですが。
まだ昨年買った鞄は壊れてはいないのですが、新しいものを買いました。
実は、昨年の暮れから足の裏を痛めて、足底金膜炎という病気になってしまいました。これって、マラソンランナーとかがなるような病気だそうですが、私の場合、生来の扁平足気味+運動不足による筋力低下+子供のだっこによる負荷+思い鞄を持つことによる負荷が複合的に作用したようです(素人診断)。
昨年は、しばらく近所の整形外科に通ったのですが症状が好転しないので、知り合いの先輩の整形外科医に相談したところ、ステロイド注射を打ってもらい、これで治りました。ところが数日前からまたぶり返した模様。
医者をどうするかはまた考えないといけないのですが、やはり思い鞄を持って歩くのは考え物です。
周りの弁護士を見ると、最近は結構、機内持ち込みサイズくらいのキャスター付きバッグを引いて歩いている方が増えているようです。絶対的にはかさばるし、重いのですが、やはり引いて歩けるのは魅力かも。
そう思って、買ってしまいました。またしてもサムソナイトですが、日本企業がライセンス生産から撤退しているため、これは中国製のようです。サムソナイトにしては、仕上げにイマイチ品質感がないような気もしますが、安い(¥16,800)からまあいいでしょう。
一昨年に続き、本年行われた第3回の法務研究財団の知的財産権特別研修に参加してきました。本日は第1回です。
昨年行われた第2回は、昨年は日弁連理事をやっていたりして忙しかった関係で見送ったのですが、今回は2年ぶりに申し込んでみました。前々回は商標権がテーマで、今回は著作権がテーマだそうです。
久々に、「講義を聞き流す」というのではなく、「授業を受ける」「宿題が出る」という緊迫感のある研修を受けるというのは、やはりなかなか身が引き締まるものがあり、今更ながら学生時代を思い出します。
で、終わった後は顔合わせをかねた懇親会だったのですが、実は本日、当番弁護士に当たっており、携帯電話を気にしながらの受講でした。「来なきゃいいなー」と思いながら聴講していると、2時半ころに非情の着信が…。残念ながら、懇親会をドタキャンして警察署に向かう私でした。