本日、私の所属する東京弁護士会の総会が行われたので行ってきました。
会員5000名近い弁護士会ですが、たぶん出席しているのは200人程度で、委任状を含めて定足数を満たしているのが実態です。まあ大規模会になってしまうと、全会員に当事者意識を持たせるのは事実上困難でしょう。そういう私も、委任状でなく自分が出席したのは久々です。
今回の議案は、定例の予算・決算のほかに、トピックとして、本年9月以降若手会員の会費を減免すること、弁護士会館の建設分担金も減少させるというものです。
その背景は、言わずと知れず、既にマスコミ等でも問題になっている合格者の急増→新人会員の就職難・若手会員の競争激化が予想されることから、若手会員の経済的負担を軽減することが必要だと言うことに尽きます。
実際、弁護士会費ってかなり高いんですね。私のように登録10年を超した会員であると、日弁連通常会費 14,000円、同特別会費 5,600円、東弁会費 18,500円の月額合計38,100円で、ちょっとした学費並みです。
これに対し、登録2年目までの新人は、従来、東弁会費のみ9,500円に減免されており、合計が29,100円でしたが、今回の改正により、東弁会費が5,000円まで軽減され合計が24,600円となりました。
ただ、見ればわかるように、日弁連関係の会費が結構でかいので、こちらに手をつけないと、若手会員の負担の軽減は本質的には図れませんね。
それから、会館の建設分担金は、私のころは、130万円も支払う義務があって、5年目から9年目にかけて、年26万円ずつ分納したわけですが、平成16年度以降の新入会員からは1年ごとに10万円ずつ総額が減らされ、また一律月1万円ずつ支払うことになっていました。
今回は、平成20年度からの新入会員からさらに1年ごとに10万円ずつ減らされ、平成20年度は80万円、21年度は70万円というように減らされていくとのことです。また、月額支払いを1万円から5000円に減らし、若手の経済的負担軽減に配慮したとのこと。
ここでちょっと疑問なのが、月額5000円の支払いだと、平成20年度新入会員は、80万円÷5000円=160回(13年4ヶ月)、平成21年度新入会員は、70万円÷5000円=140回(11年8ヶ月)、平成22年度新入会員は、60万円÷5000円=120回(10年)となって、後年度の会員ほど早く支払が終わってしまうことになります。これって公平感の観点からは疑問があるのでは?と思い、質問してみましたが、誰も納得のいく答えはしてくれませんでした(それどころか「どこが不公平なのかわからない」とまで開き直られた…)。趣旨はわかりますが、どうも方法に乱暴さがある嫌いは否めないため、この議案のみは棄権しました。
司法試験に合格して、法律家になるまでの研修期間である司法修習をマネジメントする司法修習委員会を辞めてから、はや1年以上。ロースクール世代の新修習とかも始まって、すっかり浦島太郎だなあと思っていたら、突然知り合いの東京弁護士会事務局のK氏から電話がかかってきました。
聞くと、弁護修習中の修習生で、修習期間が終わりそうなのにまだ当番弁護の経験がない人がいるので、手伝ってくれないかとのこと。指導担当弁護士が当番弁護士に登録していない方だそうで、私の当番が5月31日に予定されていることから、その日に修習生を連れて行ってくれということでした。
うーむ、修習生を連れて行くとなると、刑事弁護センターが気を利かして必ず事件を配点してくれちゃうので、「出動要請が来なかった。ほっ」という事態の可能性がなくなってしまいます。まあしかし、おせわになっているK氏の依頼なので引き受けました。
ところが、その後またK氏から電話があり、「当該修習生に声をかけたら、断られました」ということでした。理由は何と「翌日から見学旅行なので、夜遅くなりたくない」とのことです。夜遅くったって、深夜までやるわけじゃないし、翌朝だって、せいぜい朝8時集合とかその程度だと思われますが…どうみても言い訳でしょうね。
責任が発生しない修習生のうちに、経験できる機会は何でも活用してやろうという修習生の志はどこにいっちゃったんでしょうかね。悲しくなりました。修習生のうちから面倒くさいことを避けて通ろうという態度では、とてもまともな法律家になれるとも思えないのですが。
もっというと、このように修習生のカリキュラム不足の手当を、事務局の方が一人でフォローしているのも疑問です。昔は担当の副委員長や班長、副班長の弁護士あたりが必死になって電話したはずですし、そこまで努力して手当てしたチャンスを上記のようにどぶに捨てるようなやる気のない修習生がいたら、修習委員として雷の一つも落としたような気がしますが。修習委員会の方の後輩に注ぐ情熱も志しも、昔を知るものにとっては物足りない感があります。
何と、タクシーの中に、手帳代わりの大事なPDA(これ)を忘れるという失態を犯してしまいました。
なくしたのは11日の金曜日午後。クライアントとの打ち合わせのため、タクシーで向かったわけですが、打ち合わせの終わり頃、今度の裁判期日の法廷はどこだっけ?という話になって、PDAを見ようと鞄のポケットを開けたところ、ない。
あれれ、おかしいな。事務所から結構慌てて飛び出してきたので、事務所に忘れてきたのかな、と一人合点して、その場はあまり気にしませんでした。
ところが、事務所に帰って机を見ても、ない。会議室に起きっぱなしかと思って覗いたけれど、どこにもない。
血の気が引きました。PDAをなくしたことはありません。
w-zero3ですから、電話をかけてみようと当然考えるわけですが、実は通常使っている携帯はドコモで、w-zero3は建物の中など、ドコモでは通じにくいがPHSなら通じるという特殊な状況くらいしか利用しないので、自分の番号を覚えていません。トホホ。
ふと思いついて、嫁さんに着信履歴が残っていないかと考え、嫁さんにかけたところ「ああ、さっき知らない番号から罹ってきたけれど、出たらすぐ切れちゃったので、その番号じゃない?」とのこと。番号を聞くと、記憶のある番号なので、たぶんこれでしょう。で、かけてみましたが、何度かけても出ません。
落ち着け、落ち着け。事務所を出る前には予定を調整するために触っていた記憶があります。してみると、今さっきの打ち合わせの間になくしたとしか考えられません。すると、タクシーか?料金を払おうと財布を出したときに鞄から落ちたかな?
タクシーの領収書を見ると、幸い忘れ物センターの記載があったため、電話してみました。すぐに該当タクシーに電話してもらいましたが「すいません。運転手が携帯で友達とでも話しているのか、つながらないんです」とのこと。結局、運転手に確認するまで1時間以上かかりましたが、無事存在を確認できました。ほっ。
ところが、運転手は遅番のため、センターへの帰還は翌日午前2時になるとのことで、それから宅急便で発送してもらうことになり、本日ようやく手元に戻ってきたわけです。
まあ、最悪なくなっても、個人情報はほとんど入っていないし、予定はパソコンと同期しているので、リカバーはたぶん可能だったと思いますが、かなりショックであったのは間違いなく、金曜午後は仕事が手に付きませんでした。