織原被告に無期懲役判決、ルーシーさん事件は無罪英国人女性ルーシー・ブラックマンさん(当時21歳)ら女性10人に乱暴し、うち2人を死亡させたとして、準強姦(ごうかん)致死や死体遺棄などの罪に問われた会社役員、織原(おばら)城二被告(54)の判決が24日、東京地裁であった。
判決は、ルーシーさん事件について、「死体損壊と死体遺棄について、被告が何らかの形で関与したことは疑いがない」と指摘。しかし、「単独で実行したとも認められない上、被告がいかなる関与をしたかも分からない」とし、準強姦致死を含め「直接的な証拠は一切ない」と述べた。
本件は、検察はあくまでルーシーさん事件を立件したいがために、他の埋もれていた事件をかなり強引に事件化して「他の9件が有罪だから、手口の似ている本件も有罪」という論法で起訴したとも言えそうな事件です。しかし、やはり当該被告人を有罪とするには状況証拠自体もあまりにも少なすぎたのだと考えられます。他の事件の類推だけで、被告人を「有罪と推定」することは許されない、という、刑事事件の原則を踏まえたごく真っ当な判決だと思います(他の事件で最高刑の無期懲役刑を宣告しているので、実質的には被告人にはメリットはほとんどないのですがね)。
ただ、死体遺棄事件については、関与を認定しておきながら無罪としているのはよく理屈がわかりませんね。
このエントリーのトラックバックURL:
/blog/mt-tb.cgi/114