2005年の日誌で書いた成蹊大学法科大学院での民事模擬裁判授業ですが、実は昨年も本年も相変わらず担当しています。
本日は第2回の授業で、先々週の第1回の授業で配布した問題事例について、学生に起案してもらった訴状の講評でした。
この模擬裁判の題材は、毎年講師の一人のA先生が張り切って作成してくださるのですが、どうも気合いが入りすぎて年々難易度を増している観があり、本年度の問題に至っては、私が「模範答案」を書こうと思ったら、日曜日半日かかってしまい、分量も9ページというものすごいものになってしまいました。当然これについて学生さんに訴状を書かせると、論理的に玉砕している答案が続出です。やっぱりちょっと難しいかも。でもって、起案の添削も先週日曜日が半徹夜になってしまいました。
まあ、訴状起案自体が目的ではない授業ですので、気を取り直して次回以降に向けて、また準備です。
織原被告に無期懲役判決、ルーシーさん事件は無罪英国人女性ルーシー・ブラックマンさん(当時21歳)ら女性10人に乱暴し、うち2人を死亡させたとして、準強姦(ごうかん)致死や死体遺棄などの罪に問われた会社役員、織原(おばら)城二被告(54)の判決が24日、東京地裁であった。
判決は、ルーシーさん事件について、「死体損壊と死体遺棄について、被告が何らかの形で関与したことは疑いがない」と指摘。しかし、「単独で実行したとも認められない上、被告がいかなる関与をしたかも分からない」とし、準強姦致死を含め「直接的な証拠は一切ない」と述べた。
本件は、検察はあくまでルーシーさん事件を立件したいがために、他の埋もれていた事件をかなり強引に事件化して「他の9件が有罪だから、手口の似ている本件も有罪」という論法で起訴したとも言えそうな事件です。しかし、やはり当該被告人を有罪とするには状況証拠自体もあまりにも少なすぎたのだと考えられます。他の事件の類推だけで、被告人を「有罪と推定」することは許されない、という、刑事事件の原則を踏まえたごく真っ当な判決だと思います(他の事件で最高刑の無期懲役刑を宣告しているので、実質的には被告人にはメリットはほとんどないのですがね)。
ただ、死体遺棄事件については、関与を認定しておきながら無罪としているのはよく理屈がわかりませんね。
1月以来、ついに3ヶ月も空いてしまいました(例によって後で間を補充する可能性はありますが)。
空いてしまった理由は、端的に言って、忙しくなってblogの更新さえままならなくなったからなのですが、もう一つ、早く家に帰っても2歳の息子の相手をしてたりすると、従前blogに当てていた時間帯には疲労困憊で知的労働にさく気力は残っていないという実情があります。今更ながら、家庭を持つって大変なことですね。もっとも嫁さんは、コンスタントに子育てblogを更新しているようですが…
とはいえ、新年度になり、いつまでも塩漬けにしておく訳にもいきませんので、何とか再開したいと思っています。
本日より、清野幾久子弁護士が新たに当事務所の一員となりました。
清野弁護士は、明治大学法科大学院(憲法)の教授を務められる現役の学者であり、客員として当事務所に籍を置くことになりました。