弁護士 豊崎寿昌

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弁護士会予算のバブル

2006年09月27日

弁護士会予算のバブル

昨日、(私は出ませんでしたが)東京弁護士会の臨時総会がありました。そこでの議題は、立川市の弁護士会多摩支部会館の用地取得問題です。

現在、東京地裁の多摩地方の支部は、八王子に庁舎がありますが、これが近々立川市に移ります。そこで、弁護士会の事務や法律相談センターを併設する会館も立川に作ろうというわけですが、ことはそれほど単純ではありません。

実は、現在の地裁八王子支部のすぐ近くに弁護士会は、既に多摩支部の会館を所有していますが、この拡張用地として隣接地をかなり高値で買ってしまったばかりなのです。買った直後に裁判所に出て行かれてしまうのですから、騙されたというべきか、弁護士会がお人好しの大間抜けだというべきか。

さらに、今回の立川の用地取得の件もかなり問題があります。弁護士会館の用地としては、600平米もあれば十分で、実際弁護士会もその程度の用地を探していたようです。しかし、裁判所予定地の近隣に適当な用地が見つからず、今回、近隣で国有地が競争入札にかけられるということで、弁護士会が入札することになったわけなのですが、その土地の広さは3000平米!だそうです。最低売却価格が12億、予想落札価格が20億円だとか。必要な土地の6倍にも及ぶ土地を20億円も出して落札して、その後どう活用するのか、まだプランは全くありません。上場会社だったら、代表訴訟に問われそうなハイリスクな選択です。しかしながら、執行部の提案が通って入札することになってしまったようで。

このように、弁護士会が大盤振る舞いできる背景は、現在の弁護士会の収入が右肩上がりであるということにあります。既に人口減社会に入っている日本で、弁護士だけはこれから人口激増の時代が到来し、会費収入で成り立っている弁護士会の財政はウハウハなのです。当然、財布のひもも緩もうというものです。………ちょっと待って、そのお金、我々若手弁護士が血のにじむ思いで支払っているだけどなあ。これから個々の弁護士の経済基盤はどんどん不安定になっていくというのに、弁護士会だけがバブル気分では、求心力を失いませんかね?

日時 :
2006年09月27日 23:05
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コメント

自己レスです。
東弁は落札できなかったそうです。取り越し苦労とはこのこと?

投稿者 豊崎寿昌 : 2006年09月28日 16:28

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弁護士 豊崎 寿昌

(とよさき としあき)

弁護士 豊崎寿昌

  • 東京弁護士会所属
  • 由岐・豊崎・榎本法律事務所(東京・八丁堀1丁目)パートナー

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