弁護士 豊崎寿昌

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2006年06月

2006年06月29日

あってはならないのは「誤認逮捕」か

ひき逃げで誤認逮捕、10カ月拘置・警視庁
警視庁は29日、東京都世田谷区で昨年6月に起きたひき逃げ事件を巡り、神奈川県相模原市の塗装工の男性(27)を誤認逮捕したと発表した。男性は起訴され、約10カ月拘置された。別の男が犯行を認めたことから誤認逮捕が発覚。東京地検は今月8日男性を釈放、警視庁とともに謝罪した。

テレビを見ていたら、キャスターもコメンテイターも、取材を受けたヤメ検の弁護士も、口をそろえて「誤認逮捕はあってはならないこと」と言っていました。

そりゃ当然そうでしょうが、警察も人間ですから過ちが絶対にないはずはありません。

本当の問題は、誤認逮捕ではなくて、冤罪の被告人が10ヶ月も勾留され続けたことです。おそらく否認していることから、起訴後の保釈も認められずにいたのでしょうが、否認=罪障隠滅の怖れとして保釈を認めない裁判所の姿勢の問題点がここにあります。

重罪の嫌疑であろうと、被告人は有罪判決までは無罪と推定されるのです。逃亡や罪障隠滅の恐れは相当部分保釈金でカバーできる、と言うのが保釈制度の趣旨です。否認している=冤罪の可能性がある人こそ、保釈制度により不当な勾留を避ける必要があるのに、否認している限り保釈もされないのでは、「人質司法」との批判は免れません。

あってはならないのは、「誤認逮捕」ではなくて、「人質司法」です。マスコミも、こちらの方を問題にして欲しいものです。

2006年06月28日

げげげ

忙しさにかまけて、しばらく更新をさぼっていたら、いつのまにかspamトラックバックの巣窟に………(^^;

2006年06月27日

司法委員

ずいぶん前に地裁の調停委員の批判を書いたことがありますが、類似のお話。

簡易裁判所の民事訴訟には、司法委員というお方が登場します。

これは、裁判官を補助して、訴訟上の和解を試行したりするためにいる民間出身者なのですが、実際にはほとんどが弁護士です。

で、さぞかし優秀な弁護士が任命されているのかと思われるかも知れませんが、必ずしもそうでもありません。むしろ、どちらかというと(弁護士としては)お暇な方がやっている例が多く、ひどい言い方をすると勲章目当てに辞めずに続けているのではないかという方もいます。

本日もその類の方ではないかと思われる司法委員にひどい目に遭いました。

和解を勧めてくるのはいいのですが、「私なりに考えてみた」と記録をめくりながら、証拠を示して説得してきますが、証拠の引用が間違っています。当方が支払うべき側なのですが、既に支払い済みであると証拠も示して弁論済みの請求書を「証拠」に、この額は支払わなきゃ、と当方を説得してくるのです。

それは支払い済みですよ、とやんわりと指摘すると、今度は別な請求書を根拠に説得してきます。でもその請求書、2月10日付となっていますが、現実に発行されたのは全然違う日である(細かい話は省きますが、日付が違う以上支払う必要がない、というのがこの裁判での当方の主張)ことは内容から明らかなのです。

この点も既に3ヶ月も前の弁論で主張済みなのですが、残念ながらご理解されていない。仕方なく説明したら、「私はそうは考えない」などと言い出す始末。さすがに頭に来ました。

2006年06月25日

逆転現象

今週末は、事務所のボスのパソコンのセットアップで明け暮れてしまいました。

ボスのパソコンは、2002年暮れに買ったThinkPadX30(2672-4EJ)でしたが、4月にHDDがクラッシュしてしまい、週末をつぶしてHDDを換装しました。

ところがその後、専用の無線LANユーティリティのAccessConnectionをバージョンアップしたら、なぜか接続が不安定になり、ついに先週、接続不能でにっちもさっちもいかなくなりました。何か無線LANドライバとの相性がよくない感じです。AccessConnectionを使おうが、Windowsのユーティリティを使おうが、アクセスポイントが全く認識できなくなってしまったため、お手上げです。

ということで、ボスが音を上げて、新しいのを買うと言うことになりましたので、勝手ながらX60sを買わせました。そして、週末セットアップをしていた次第です。

実は5月末に買った私自身のX60sもまだセットアップ途上で家にあります。自分のパソコンより他人のパソコン(それも同品種!)を先にセットアップするのにはイマイチ納得がいかず、並行して自分のX60sのセットアップも行っていたところ、なぜか乗換案内がうまくインストールできません。途中で止まってしまいます。

頭に来て、「システムの復元」で戻そうと思いましたが、復元もできません。rescue&recovery(付属のバックアップソフト)で、1週間前の状態に戻そうとしたら、これもハング。出荷時に戻そうとしてもハング。ハマりました。結局CD-Rに焼いておいたリカバリーイメージから全部やり直しです。

ということで、結局自分のX60sはセットアップをあきらめました。後から買った他人のPCを先にセットアップして献上するという逆転現象です。トホホ。

2006年06月21日

修習生

5月から6月にかけて、またまたひどい更新状況ですが。

実は、4月から日弁連理事としての会務が入った上に、なぜか昨年同様、成蹊大法科大学院の民事模擬裁判の講師、さらには司法修習生の指導担当まで引き受けてしまい、さすがにこの1ヶ月ほどはオーバーフロー状態で、とても日誌の更新までする精神的余裕がありませんでした。

司法修習生は、6年間務めた修習委員会の委員を辞めさせてもらう交換条件のような形で引き受けたものです。若くして合格した大変優秀な修習生が配属され、この3ヶ月大いに刺激になりましたが、本日3ヶ月の弁護修習期間を終えて後期修習に旅立っていきました。

指導担当としては、本日の修習終了式に出席してあげなければならなかったのですが、奇しくも成蹊大法科大学院の授業日とぶち当たってしまい、そちらを優先せざるを得ませんでした。

それにしても3ヶ月の弁護修習というのは、やはりちょっと短い感じです(私のころは4ヶ月)。弁護士の仕事というのは、特定の3ヶ月を切り取ってみると、何故か結構偏っていて、この3ヶ月を見ると、残念ながら証人尋問は1件も入らず(そのくせこれから3ヶ月の間には立て続けに3件ほどありそうな雰囲気)、また新件はおかしなことに離婚とか相続とか家事事件ばかりという偏りぶりでした。満遍なく経験させてやりたいなあ、と思っても、こればかりはどうにもなりませんね。

2006年06月08日

70,000アクセス

5月末からなぜかまた怒濤のように予定が入ってしまい、また日誌は中断に近い状態ですね。すいません。

弁護士 豊崎 寿昌

(とよさき としあき)

弁護士 豊崎寿昌

  • 東京弁護士会所属
  • 由岐・豊崎・榎本法律事務所(東京・八丁堀1丁目)パートナー

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