昨日に続いて会長選の話題です。
私の手元に、昨日もらった結果速報のコピーがあります。これには各単位会ごとの投票総数や各候補の得票数まで書いてあって、各単位会の傾向がわかって面白いものです。
これと、日弁連のサイトにある前回の結果と見比べてみると、さらになかなか興味深いです。
前にも述べたことがありますが、最近の日弁連の会長選は、毎回司法改革に賛成する主流派候補と、反対する非主流派候補(いわゆる「一条の会」候補)の対決で、そこに今回は二弁の久保利候補が割って入ってきたわけです。
で、私は日弁連の会員の支持層というのは、かなりコアな部分があって、毎回選挙では同じくらいの傾向がでるものだろうと思っていました。でも各地域の結果まで見ると、けっこうびっくりするほど前回と今回で違うんですね。
と、いうわけで、総選挙の選挙開票番組に出てくる選挙評論家のようにコメントしてみます。
- 東弁 言わずと知れた最大票田。
前回は梶谷候補2262、高山候補1269だったが、今回は平山候補2651に対し、高山候補802にとどまる。高山+久保利でも1097で、前回の高山候補に届かないのは、東弁候補だということで、前回以上に法友会の集票マシンがフル回転したから?
- 一弁 前回の投票率63%から、今回は44%に激減。前回の梶谷候補は久々の一弁候補だったのに対し、今回は再び他人事になったからと思われる。
もっとも、高山候補の得票数は前回150、今回149とほぼ同じで、コアな支持者は変わらない傾向。
- 二弁 二弁から久保利候補が立っているにしては、前回の投票率72%を大幅に下回る64%にとどまった。久保利候補の確保した1088も、前回の梶谷候補の1216に及ばない。投票率が下回ったことは、司法改革推進派を割って立候補した久保利候補に、足下の二弁も一枚岩でなく、旗幟を明確にできずに棄権したものが多かったからではないかと思われる。
- 埼玉 関東では、千葉、群馬と並ぶ一条の会の牙城だったが、今回は高山候補85に対し、平山候補が105と競り勝った。高山候補は得票数でも132から85と激減。
もっとも、投票率自体が前回の77%から55%に激減しており、一条の会が票の掘り起こしに失敗したと思われるが、原因は不明。
ちなみに千葉、群馬では高山候補は前回とほぼ同水準の票を取っている。
- 大阪 前回の投票率71%も決して低くなかったが、今回は何と86%と、大規模単位会としては驚異的。高山候補は前回686、今回657とほぼ同じだが、投票率が上がったのに得票が増やせなかったともいえる。逆に平山候補の1475は前回の梶谷候補の1271を上回っている。
こんなに投票率が高いのは、実は今回も大阪で2名の候補者が出る動きがあり、直前に辞退したが、次回の選挙への思惑もあって、大阪内部での票の掘り起こしが激しかったから?
- 愛知(名古屋) ここも一条の会の牙城だが、前回は何と256対234で梶谷候補が競り勝っている。それもそのはずで、投票率が53%しかなかった。ところが今回は投票率が何と93%!おかげで平山候補は306と、前回の梶谷候補を上回る票を得たものの、高山候補が406を勝ち取って勝利。それにしても前回の一条の会支持者は何でこんなに投票しなかったのか不明。
- 福岡 ここは前回投票率が89%であったが、今回は何と48%と激減。平山候補が1位ではあるが、その得票数161は、前回の高山票160とほとんど変わらない(ちなみに前回梶谷候補は396を獲得)。ところが高山候補も96に減らしている。今回の盛り上がらなさの原因は不明。
こうしてみると、こんなに投票率が毎回動くことに結構びっくりですね。
選挙評たのしく拝見しました。
他の弁護士会の事情はわかりませんが、
大阪弁護士会では投票率というものは、大阪弁護士会の会長選挙があるか否かで全く違います。
今年は数年ぶりに大阪弁護士会会長選挙がありました。
選挙投票所では、入り口から入って、大阪弁護士会長の投票します。
出口へは一方通行でして、日弁連会長の投票をしないと、出られないし仕組みになっています。
というわけで、ついでに投票しますので、日弁連も投票率が上がってしまいます(高山さんはコアな人しか投票しませんから、投票率に影響されませんね)。
10年ほど前までは、大阪弁護士会の役員選挙は投票率99%で、
超高齢か病気の人以外は、投票していました(派閥の締め付けで棄権ができませんでした)。
86%とは落ちたものです。
投稿者 井上直行 : 2006年02月13日 20:43
なるほど、そうだったのですか。
してみると、他の単位会の投票率の激動も、その会の会長選挙が絡んでいる可能性の方が強いですね。
投稿者 豊崎寿昌 : 2006年02月14日 00:02