ロースクール1期生の受験する「新司法試験」の申込数が2137人だそうです。
初年度の合格見込み数が900~1100人と伝えられていますから、このままいくと、合格率はやはり約50%ということになるのでしょう。
司法制度改革審議会の最終意見書での「例えば7~8割」という数字からは、大きくずれた数字なのは、以前から(これとかこれとかこれ)触れていますので、いまさら書きませんが、一つだけ、書き忘れていた論点があります。
それは、司法制度改革審議会の議論では、ロースクール導入の理念は、「法曹を1回の司法試験で選抜するのではなく、ロースクールの教育課程を通じて選抜する」というものだったということです。従って、本来、ロースクールの学生全員がそのまま卒業して司法試験受験資格を得ることは、あってはならないはずだったのです。
仮にロースクールが、卒業時の審査を厳しくして、3割落第、と言うことにすれば、新司法試験の受験者は1500人程度となります。あらあら、1100人合格なら、立派に合格率7割以上じゃないですか!
まあ、同様に考えても2年目以降はやはり合格率は下がるので、上記のような議論は1年目しか通用しませんが。
でも、ロースクールの経営を考えると、絶対に卒業審査を厳しくして、自分の首を絞めるようなことはやらないだろうなあ。かくして制度設計の理念は、「市場経済」の前に崩れていくのでしょうか。それとも、数年中に負け組ロースクールは淘汰されて、合格率は相対的に上がるのでしょうか?(学生の質を度外視して、合格者だけを闇雲に増やす、という結末だけは避けて欲しいものですが………)
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