本日の小島ヒューザー社長の証人喚問で、小島社長が証言拒否を連発したことにかなりマスコミが反発しているようですが。
誤解を恐れずに言わせてもらえば、刑事訴追される恐れがある証言内容について、証言拒否が認められるのは、証人の権利です。証人喚問は、国会の国政調査権の行使として行われるもので、特定の証人をつるし上げること自体が目的ではないのですから。
この「証言拒否」戦術は、ロッキード事件での証人喚問の際にも使われたものですから、今回も、詐欺罪での立件も噂される小島社長が、「核心部分についてことごとく証言拒否」するのは、防御策としてはある意味、当然じゃないですかね(と、いうより、この方は、今まであまりにも不用意な発言を連発しまくって、自分で自分の首を絞めていたタイプなので、そのイメージとの落差の大きさがよけいに反発を買っていることも明らかですが)。
私としては、補佐人の鶴見弁護士の戦術には概ね肯定的です。むしろ、問題は、こうした証言拒否に対して、効果的な指示ができない議長の指揮の不十分さにあると思われます。
これは、日本の裁判所でも共通する欠点で、証人がなんだかんだと、明示的に、あるいは事実上証言を拒否したり、裁判所を軽んじた態度を取っている場合に、裁判所はどうも自らの権威を守る気概がないのですね。まあ、日本は法廷侮辱罪とかいう罪がないので仕方ないのですが。
国会も、証人喚問で、こうした証言拒否の連発を抑制したければ、証言拒否事由がないのに証言拒否した場合のペナルティをちゃんと定めるべきです。しかし、これを厳しくすると、自らの身に跳ね返ってきた際に痛い思いをしかねない(スキャンダルがあれば、国会議員自ら証言台に立たされるかも知れない)ので、厳しいルールが作れないのでしょう。
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とある報道では、補佐人は刑事訴追の可能性について「偽証罪に問われる可能性があるから」と述べたそうです。そうだとすると、証人喚問ではあらゆる証言を拒否できることになりそうですが、いかがでしょうか?
投稿者 はしはし : 2006年01月21日 01:17
はしはし様
「偽証罪に問われる可能性があるから全ての証言を拒否できる」というのは論理的にあり得ないでしょう。
補佐人のコメントの趣旨は、「偽証罪に問われる可能性がある以上、認識していても事実であることの立証が難しい事項については証言を控えざるを得ない」というような趣旨ではないかと考えていますが。
投稿者 豊崎寿昌 : 2006年01月21日 15:06