本日、我が事務所の後輩弁護士が電話で激高している声が。聞き耳を立ててみると、どうやら相手は裁判所のようです(裁判所相手にケンカを売るのはどうやら私の専売特許ではないらしい(^^;)。
何かと思ったら、家事審判の事件(婚姻費用分担請求とか子供に対する面接交渉請求の件ですね)で、双方の主張を待つという話だったのに、ある日突然審判を出されたので「いくら何でも不意打ちじゃないか」と怒っていたとのこと。
このような不意打ち裁判、判決期日を予め指定しなければならず、公開の法廷で判決が言い渡される民事事件の場合はあり得ません(ちなみに普通の民事事件でも、最高裁だけは予め判決期日を指定せず、突然判決が下されるという不思議な世界になっています)が、家事審判の場合、公開の法廷で言い渡す必要がないためか、予め期日が指定されず、裁判官の気まぐれで、ある日突然決定が出ているということがよくあります。
この「不意打ち」、今回の後輩弁護士のように、予想外に早く決定が出されてしまうこともあれば、逆の場合もあります。数年前に私が担当した審判事件なんか、最後に審判期日が開かれてから、実に1年間なしのつぶてで放っておかれたあげく、忘れた頃に、ある日突然決定書が届きました。
いくら公開の法廷での言い渡しが必要ないからといって、いつ判断が下されるか、予想も付かない裁判というのは、当事者から見ると全く予定が立たないという意味で困りものです。仮に決定に不服であれば、抗告期間内に抗告しなければいけないわけで、例えば長期の旅行中にいきなり決定を出されてしまったら、どうすればいいんだろうかと不安になります。この辺も裁判所の利用者不在の発想の現れなのではないでしょうか。
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