弁護士 豊崎寿昌

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法科大学院トライアル評価

2005年11月28日

法科大学院トライアル評価

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昨日から本日まで、関西に出張していました。

プロフィールには書いてありますが、日弁連法務研究財団法科大学院評価事業の評価員という役をやっていたりします。

評価事業とは、簡単に言うと、法科大学院が当初の設立申請時どおりの理念に則って、適切に運営されているかどうか外部機関として評価するもので、もっと簡単に言ってしまうと、金融庁による銀行への査察の大学院版、みたいなイメージですかね?

で、今回は関西方面の法科大学院のトライアル評価に参加してきたのですが、大学院も大変でしょうが評価員をやる方も結構大変です。

事前の書類だけで電話帳3冊分くらいの厚さの書類があるだけでなく、前日夜からホテルの会議室に缶詰で4時間以上も事前検討会を行い、当日は朝8時から夜7時まで大学院の教授と会ったり学生と会ったり授業を見学したりとスケジュール満載です。全部終わった後は、通常の仕事よりもよほどぐったり疲れた状態でした。

しかし、当該法科大学院の内容以上に気になったのは、現場の学生の焦燥感です。「法科大学院に入れば、法律家になれると信じてきたけれど、このまま法科大学院の授業を受けていて、司法試験に果たして合格できるのか、全く確信が持てない」という不安が全体を覆っているようでした。

まあ、前々から触れていることですが、新司法試験の合格率が初年度でも5割、ゆくゆく3割程度になってしまう予想の下で、しかもまだ新司法試験の枠組みさえ完全には決まっていないという突貫工事の改革の真っ最中です。制度設計する方すら完全に見通せていないのですから、当事者たる学生が不安を持つのは当たり前でしょう。

私は旧司法試験の受験生にもシンパシーを持っている立場ですので、だからといって新司法試験の合格者を闇雲に増やせ、という論調には与しませんが、とにかく発足した法科大学院の学生のためにも、早く新しい制度の終着点だけでも決めてあげるべきではないでしょうかね。

日時 :
2005年11月28日 23:48
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弁護士 豊崎 寿昌

(とよさき としあき)

弁護士 豊崎寿昌

  • 東京弁護士会所属
  • 由岐・豊崎・榎本法律事務所(東京・八丁堀1丁目)パートナー

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