私が司法修習委員を始めて早6年も経ってしまいましたが、6年目にして初めて模擬裁判の裁判官役をやることになりました。これまでは代理人顧問役や証人役ばかりだったのですね。
裁判官役は、顧問役や証人役のように、修習生たちと事前に打ち合わせをするわけではありませんから、飲みに連れて行っておごらなければならないという経済的負担はあまり発生しません。でも、打ち合わせをしないと、個々の修習生の顔が見えませんので、多少淋しくはあります。
そんなわけで、本日は、本番の証人尋問の前に争点整理をする模擬弁論準備期日です。過去の日誌にも書いたように、代理人顧問の時には、裁判官役の弁護士の気まぐれな訴訟指揮に泣かされ続けてきました。今回は、積年の恨みを晴らすまたとないチャンスです。というわけで、思い切り強権的かつ頑迷な裁判官役を演じようと心に決めて、期日に臨みました………というのは冗談で、さくっと1時間以内に終わらして帰るつもりだったのです。本当です。
しかし、予想外に、裁判所がちょっと求釈明をすると、修習生が立ち往生してしまい、仕方なく何度か休憩を入れ、その間に結論を出してもらったりしましたので、なんだかんだ言って1時間40分くらいかかってしまいました。いやあ、やっぱり模擬裁判というのは、やってみないと何が起こるかわかりませんねえ。