弁護士 豊崎寿昌

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法科大学院と予備校

2005年07月04日

法科大学院と予備校

今週号の「週刊ダイヤモンド」に、「徐々に崩壊する理想の教育 法科大学院二年目
の岐路」という記事が載っていました。

全ては拙速が生んだ混乱というべきだろう。2004年4月にスタートした法科大 学院は右往左往が続いている。第1期生と第2期生合わせて1万1311人の大学院 生には、いまだに挑むべき新司法試験の全貌が知らされていない。ゴールが見えない ままの猛勉強は、教育現場をゆがめ、学生をいらだたせている。

もっともな話で、私が受験生だったら、怒り心頭だったでしょう。

3月1日の日誌で私が指摘したことですが、この記事も

「小泉内閣が描いた理想の司法改革は、その後、いくつもの当事者がバラバラに制度作りに関わり始めた」「特に、大量の法科大学院ができてしまったことが想定外の事態であった」

と、本質を喝破しています。

法科大学院の制度設計に関わった人たちに、「予備校の関与の排除」という理想主義
があったのは確かですが、試験と競争主義のあるところに予備校が排除できると考え
たことが間違いです。制度設計に関わった人たちの世代には、たぶん予備校が当たり
前の経験がないため、この辺がどうしても感覚的にわからないのでしょう。

逆説的ですが、現在の司法修習生に予備校に通う人はいません。現在の司法修習の卒
業試験(2回試験)は、「合格留保」はあっても、「不合格」は事実上ないに等しい
ためです。まあ、そのようなぬるま湯の状態が、現行司法修習への不信感につながっ
た面があるでしょうが、競争を持ち込んだ以上は、予備校がはびこってくるのは仕方
がない。その上で、これに負けない法曹をどうやって選抜するかどうかを考えるしか
ないのではないでしょうかね。

日時 :
2005年07月04日 23:46
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弁護士 豊崎 寿昌

(とよさき としあき)

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  • 東京弁護士会所属
  • 由岐・豊崎・榎本法律事務所(東京・八丁堀1丁目)パートナー

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