母校の快進撃?
私の母校の開成高校野球部が、今年はびっくりするような活躍でした。
初戦の2回戦からコールド勝ち。まあ、相手が八丈高校だったので、このときは島の高校も可哀想………くらいにしか思いませんでしたが、3回戦もコールド、4回戦も17安打9得点となると、マスコミも黙っていません。
進学校・開成快進撃、初の16強に 高校野球東東京大会第87回全国高校野球選手権東東京大会で、全国有数の進学校、開成(東京都荒川区)の快進撃が止まらない。3回戦までは、いずれも2ケタ得点でコールド勝ち。20日の都立淵江戦も17安打と打ちまくり、チーム初の16強入りを決めた。猛打の秘訣(ひけつ)は「物理の法則」。22日は第1シードの国士舘と対戦する。
昨年度は東京大学の現役合格者が118人(同校公表)と全国トップの開成だが、野球部の同大会での戦績はここ10年でも最多で1勝、3回戦進出止まりだった。
「物理の法則」って、「投球の軌道とバットの角度が正しければ、遠く飛ぶ」というものらしいですが、そんなベタな進学校ネタにしなくても………よくよく考えると、ボールが回転している変化球の場合、それだけじゃ理論的にも合わないんじゃないの?と、思ってたら、本日負けちゃいました。まあ、相手が第1シード校でしたから、仕方がないでしょう。
それにしても、水泳部以外の開成にはあまり強い愛校心を感じているわけではないつもりの私ですが、こういうときにはついつい気になってしまうあたり、やはり体のどこかに愛着が染みついているのだなあと思いました。
既に新聞報道等でも大きく報じられていますが、本日、貸金業者の取引履歴開示拒否を不法行為とする最高裁判決が出ました。
この判決は、
「長期間にわたって貸付けと弁済が繰り返される場合には,特に不注意な債務者でなくても,交付を受けた17条書面等の一部を紛失することはあり得るものというべきであり,貸金業法及び施行規則は,このような場合も想定した上で,貸金業者に対し,同法17条1項及び18条1項所定の事項を記載した業務帳簿の作成・備付け義務を負わせたものと解される。」
とし
「債務者は,債務内容を正確に把握できない場合には,弁済計画を立てることが困難となったり,過払金があるのにその返還を請求できないばかりか,更に弁済を求められてこれに応ずることを余儀なくされるなど,大きな不利益を被る可能性があるのに対して,貸金業者が保存している業務帳簿に基づいて債務内容を開示することは容易であり,貸金業者に特段の負担は生じないことにかんがみると,貸金業者は,債務者から取引履歴の開示を求められた場合には,その開示要求が濫用にわたると認められるなど特段の事情のない限り,貸金業法の適用を受ける金銭消費貸借契約の付随義務として,信義則上,保存している業務帳簿(保存期間を経過して保存しているものを含む。)に基づいて取引履歴を開示すべき義務を負うものと解すべきである。」
と、判示しました。
この判決で重要な部分は、貸金業者は、「契約の付随義務として」「信義則上」取引経過開示義務を負う、とされた点です。個人情報保護法を根拠にしているわけではありません(個人情報保護法による義務ですと、開示にかかる手数料を要求できたり、委任状や印鑑証明を要求したりと、不当な抗弁に使われることになります)。しかも、従来は、法律ではない金融庁の貸金業者向けの「ガイドライン」を開示請求の根拠にせざるを得ない部分があり、やや理論的に苦しい部分があると言われていた(本件の地裁、高裁で、開示拒否が違法ではないとされたのもそのせいだと思われます)ものを、ガイドラインに根拠を求めるのではなく、貸金業法の立法趣旨と契約当事者の立場に基づいた契約の意思解釈からすっきりと論じており、明快な法解釈の見本のような議論です。
いるんですよねえ、この事件のキャスコのような対応をする貸金業者。取引履歴を素直に開示すると、間違いなく過払い請求をされるとわかっているものだから、弁護士からの開示請求に知らん顔を決め込んで、訴訟を起こすとあわてて開示してくる。私は、どうせそんなもんだろうと見切って、開示拒否をされたらさっさと当てずっぽうで取引履歴を推測して過払い訴訟を提起しますが、正面から戦って、見事最高裁での歴史的判決を手にした井上弁護士には頭が下がります。
本日は、朝7時半の新幹線で米沢に出張するという強行軍でした。
以前は、当事務所はなぜだか米沢支部の事件を何件か抱えていたのですが、最近は減ってきて、私も本日行った事件が最後の1件です。これも破産申し立て事件で、本日は実に3年ぶりの債権者集会(地方はいまだにこんな運用なのですね)なので、私自身も3年ぶりに米沢に行ったことになります。
久しぶりに赴いた米沢は、けっこう駅の中がリニューアルされていたり、駅近くに新たなホテルがオープンしていたりと、多少変わっていました。裁判所も、エレベータが新設されるなど多少お色直しがされていましたが、ちょっとびっくりしたのは、裁判所の入り口に、裁判所主催の「自己破産、個人再生、特定調停の申立手続き説明会(予約制)」の案内板がたてられていたこと。
どこぞの怪しげな整理屋さんや、東京の提携弁護士にひっかかってしまうよりは、裁判所自身がフォローしてくれた方が確かにマシですが、それにしても裁判所が実質債務整理相談所を開いてしまうとは、よっぽど弁護士が不足している以外の何者でもないでしょう。
実際、聞く限りでは、米沢市内には弁護士がお二人しかおらず、たぶんどちらも個人の債務整理を積極的に引き受けてくれそうな方ではない印象でした。私の申し立てた破産事件自体も管財人は山形市の弁護士でしたし。
裁判所には、山形弁護士会の法律相談会のチラシもあるにはあったのですが、裁判所が無料で相談会をやるとなればそちらに流れてしまうでしょうなー。まだまだ弁護士が身近でない地域がたくさんあるようです。
2001年以来、長らくデジカメはcyber-shot P5を使用してきましたが、さすがに最近の製品と比べると、起動やフラッシュの充電時間の遅さが目立つようになってきましたし、また子供の写真用に一つは家に置いておかないといけませんので、新たに買うことにしました。
散々悩みましたが、結局同じSONYのcyber-shot T7に落ち着きました。
最初から候補としては、持ち運びが容易な薄型系に絞っていましたが、同時に水泳部の合宿等でも使える防水機能も欲しいところでした。
ところが、最近の薄型機種のほとんどは、防水パックのオプションがないんですよね。たぶん、薄型化の過程で極限までスイッチ類を小さくしてしまっているため、防水パックの設計が困難なのではないかと思われます。
このT7も、T1、T3まではあったマリンパック(水深40メートル対応)がなくなってしまい、ダイビングには使えなくなってしまいましたが、スポーツパックという、より手軽な3メートル防水機材がオプションで出たため、決め手となりました。
まあ、子供が生まれたためにしばらく本格的なダイビングも無理でしょうし、ダイビングにはもう少し本格的なカメラが欲しいところでもありますので、また別に考えるとしましょうか。
ゲートキーパー=門番ですが、ゲートキーパー問題と聞いて、何のことだかわかる方は相当の事情通でしょう。
これは、国際組織犯罪対策の一環として、弁護士・会計士・監査人・会社設立代理人などの専門職を国際金融システムの「門番(ゲートキーパー)」として、疑わしい取引の通報義務を課そうという動きです。マネー・ローンダリング防止のための規制を、銀行などの金融機関からこれら専門職に広げようとする動きとも言えます。
詳しくは、日弁連のこのページにかなりの情報があります。
しかし、この制度は、使われ方によっては、弁護士の負っている従来の守秘義務の内容を大きく変更してしまうおそれがあります。弁護士の仕事の変化の面だけならどうでもいいかも知れませんが、今までのように弁護士が秘密を守ってくれないとなると、依頼者は弁護士に安心して相談できなくなり、ひいては依頼者の権利も守られなくなるおそれがあります。
これは特に、刑事弁護の場面では厳しい現実となる可能性があります。刑事事件の被疑者、被告人が弁護人を依頼する権利は、憲法上も保証されたものですが、弁護人に全てを打ち明けた結果、通報されてしまったとしたら元も子もありません。
実際、現在既に制定されている組織的犯罪対策法は、ほとんどの重要前提犯罪によって得られた犯罪収益を、それと知って収受する行為を、犯罪収益収受の罪として処罰の対象としています。
すると、これらの前提犯罪を疑われている被告人から私選で刑事弁護を引き受け、弁護士費用を受け取ると、自らの受け取った弁護士費用のなかに犯罪収益が含まれていたことを知っていた場合には、犯罪収益収受の罪に問われる可能性がでてきてしまうことになります。そうなると、これらの被告人から視線で刑事弁護を引き受ける弁護士は事実上いなくなってしまい、これらの罪の被告人は私選で弁護人をつける権利を奪われたに等しいという結果がおきてしまいかねません。
テロ対策やマネー・ロンダリング対策は重要ですが、国家に対しての個人の権利を最も先鋭的なところで擁護するはずの弁護士に、通報義務を課すことは、個人の国家に対する自由の根幹を崩しかねない危険な選択である気がします。
今週号の「週刊ダイヤモンド」に、「徐々に崩壊する理想の教育 法科大学院二年目
の岐路」という記事が載っていました。
全ては拙速が生んだ混乱というべきだろう。2004年4月にスタートした法科大 学院は右往左往が続いている。第1期生と第2期生合わせて1万1311人の大学院 生には、いまだに挑むべき新司法試験の全貌が知らされていない。ゴールが見えない ままの猛勉強は、教育現場をゆがめ、学生をいらだたせている。
もっともな話で、私が受験生だったら、怒り心頭だったでしょう。
3月1日の日誌で私が指摘したことですが、この記事も
「小泉内閣が描いた理想の司法改革は、その後、いくつもの当事者がバラバラに制度作りに関わり始めた」「特に、大量の法科大学院ができてしまったことが想定外の事態であった」
と、本質を喝破しています。
法科大学院の制度設計に関わった人たちに、「予備校の関与の排除」という理想主義
があったのは確かですが、試験と競争主義のあるところに予備校が排除できると考え
たことが間違いです。制度設計に関わった人たちの世代には、たぶん予備校が当たり
前の経験がないため、この辺がどうしても感覚的にわからないのでしょう。
逆説的ですが、現在の司法修習生に予備校に通う人はいません。現在の司法修習の卒
業試験(2回試験)は、「合格留保」はあっても、「不合格」は事実上ないに等しい
ためです。まあ、そのようなぬるま湯の状態が、現行司法修習への不信感につながっ
た面があるでしょうが、競争を持ち込んだ以上は、予備校がはびこってくるのは仕方
がない。その上で、これに負けない法曹をどうやって選抜するかどうかを考えるしか
ないのではないでしょうかね。
さて、当職のwebサイトも、2001年の開設以来、ほぼ満4年ですが、この度70,000アクセスを目前にして、新サイトに移行をはかっていくことにしました。
新サイトは、見ていただければわかりますが、流行のblog形式を基本にした作りです。もともと、blogが大流行になる前から、当職のサイトは業務日誌を中心として、手動blogっぽい作りになっていたので、なじみやすいのではないかと思います。
実はblog化は、昨年の夏から構想だけはしていたのですが、何度かの挫折を経た上、この4月頃から新サイトもこっそりアップはされておりました。そこで、レイアウト等の手直しをしばらく試行錯誤しつつ、過去の膨大な日誌を新サイトにもアップし直そうとしていたのですが、見ていただければわかるとおり、2005年分は全部ありますが、あとはまだ2001年の10月はじめくらいまでしかアップできていません。道のりは遠い………
そんなわけで、旧サイトにも、従来のコンテンツは当面そのまま載せておきますが、基本的に更新はしない予定です。
ただし、弁護士の課外活動の部分だけは、引き続き旧サイト上で展開し、更新もこちらで続けていきたいと思っております。よろしくお願いします。