本日、夜7時から台東寮の法律相談に行ってきました。
台東寮というのは、東京都と特別区が開設した路上生活者自立支援施設の一つで、上野駅近くの都有地に建てられたプレハブの建物に就労意欲のある路上生活者が入寮して、就職までの間滞在できる施設です。
ホームレスになってしまう方は、その直前には必ずと言っていいほどサラ金等で借金を抱え、これが支払えず、最後は家賃も払えなくなって追い出され、住居を失うという典型的なパターンを辿ります。従って、法的には債務を抱えたままの状態であり、再び就労してアパートも借りることができるようになり、住民票を移転すると、最初にくるのはサラ金の督促だったりします。これでは立ち直ろうにも立ち直れないので、この法律相談が始められたそうです(私は今年度からいつの間にか相談担当になっていました)。
実際には、言うは易く行うは………の格言のとおりで、施設滞在者は当然一文無し同然の方であり、資力はゼロ、定住所も収入もなく、就労予定のため生活保護受給者でもないですから法律扶助協会も使えません。この状態で弁護士が受任するとしたら、「後払いのあるとき払い」となってしまい、数ある法律相談の中でも最もボランティア度の高そうなものでしょう。
ただ、相談を受けてみると、多くの場合時効が成立していたりして、弁護士が緊急に走り回る必要のある事件は少ないようで、むしろ相談者の心理的バックアップの側面が大きい気がしました。