【最高裁、消費者金融の取引履歴開示初判断へ】消費者金融会社が借り手側に取引履歴を開示しないのは違法かどうか――。全国の高裁で真っ二つに判断が分かれたこの問題で、最高裁第三小法廷が初判断を示す見通しとなった。上告を棄却する場合は必要がない弁論を6月14日に開くことを決め、10日付で関係者に通知した。違法性を認めなかった二審・大阪高裁判決を見直す公算が大きい。
債務整理で、貸金業者に対し、過払い金請求を行おうとすると必ずぶち当たるのがこの「取引経過開示拒否」の壁です。とにかく裁判を起こせば開示を行う業者も多いですが、逆に言うと裁判前には「一定期間前は出せない」などと平気で開示を拒否するところもあります。
それというのも、この取引履歴の開示は従来、金融庁のガイドラインでの定めが唯一の根拠であったため、開示を求める法律上の権利があるかというと、微妙な問題といわざるを得ず、債務者に対し、法的に開示拒否が違法かどうかというと、否定的な判断を下す裁判所が少なくなかったものです。
しかし、個人情報保護法が施行され、自らの個人情報の開示を要求できる時代になったのですから、これからは違うはずです。最高裁の事例は法律施行前ですが、このような時代背景を追い風にしていることは間違いないでしょう。