JR西日本福知山線の脱線事故、報道を聞けば聞くほど「暴走列車」だったようで、ご遺族の方の無念は察するに余りあります。
またJR西日本の事件以来の迷走する対応も、かつての雪印事件等を思わせるもので情けないものです。想定しているトラブルなんかは危機管理の範疇ではありません。想定外の事態が起こったときにどう動くべきかが本来のコンプライアンスの要のはずですが、上は社長から下は事故列車に乗り合わせた職員まで、想定外の事態には全く対処するすべを持ち合わせていなかったようです。
それはそうと、マスコミの方も、事件以来、JR西日本を「安全性よりも定時運行、スピードを優先させた」企業というキャンペーンを貼るのに血道を上げているようですが、事件までは外国と比べた日本の鉄道の定時運行への優秀さを褒め称え、新幹線、在来線のスピードアップを無批判に賞賛してきたのも同じマスコミであったことを忘れてはならないのではないでしょうか。
分刻みのスケジュールで動く現代人を支えるべくして、安全マージンを削りに削り、結果大惨事を起こしてしまったのだとすれば、JR側のみが責められるべきなのか、多少忸怩たる思いにとらわれます。