東京は霞ヶ関、東京地裁&高裁合同庁舎と東京家裁&家裁合同庁舎の間にそびえ立つ、大理石外壁の17階建てビル、それが弁護士会館です。ここに日弁連と東京の3つの弁護士会の事務局が入居しているわけですが、このビルの建設費&維持費は、いったい誰が負担しているのでしょう
答えは当然ながら、東京の3つの弁護士会の会員です。会館が竣工したのは平成7年の秋。私はまだ司法修習生で盛岡にいました
翌年から東京で弁護士登録する新入会員は、会則により130万円の会館建設費用を負担させられることになりました。しかし、薄給の司法修習生にそんなお金があるはずもなく、上記制度は始まると同時に、登録後最大10年間の猶予と5年分納が認められるようになりました。それでも修習生にとっては、目の前にぶら下がった130万円の債務というのは結構プレッシャーで、大手渉外事務所が「会館費用を事務所で出してあげるよ~」というオプションを殺し文句に修習生をリクルートしてたりしました。
そういう私も今年で弁護士登録10年目。期限いっぱいを使って、5年目から5年分割で26万円ずつ支払い、先日ようやく債務を完済(?)しましたが、そうした矢先にこの会館費用に関する新しいニュースを耳にしました。
いわく、いつの間にか昨年あたりから、新入会員の負担金は130万円から110万円に減額されていたそうです。そしてさらに、今後段階的に減らしていく方向で、とりあえず数年かけて90万円まで減らす案が東京弁護士会の常議員会で可決されたとか。
たぶん理屈は三つあって、一つは司法試験合格者の増加に伴い新入会員の数が増えて、一人あたり負担額を減らしても余裕があること、二つ目は現会館もだんだん経年劣化していくわけで、新築当初に使っていた会員と同じ費用を徴収するのは不合理だということ、そして三つ目は、純粋に会館費用の会計が実はだぶついていることでしょう。
しかし、真の理由は、足並みをそろえるべき第二東京弁護士会が、抜け駆け的に自分のところだけ勝手に新入会員の負担金を減らしてしまったからです。二弁はときどきこういう無責任な抜け駆けをする傾向があるようです(東京の三つの弁護士会の体質については過去にも書きましたねえ)。