もう1億総評論家状態ですから、今更私ごときが論評しても、………という感もありますが、法律家の端くれですので一言。
まあ法律的に冷静に考えると、ニッポン放送のフジ側への新株予約権発行が不公正な発行でないとするには相当なレトリックを必要とするわけで、差し止め仮処分が認められたのは至極まっとうな結論ではないかと思います。ライブドアが時間外取引で不意打ち的に株式を取得した手法の不当性を考慮に入れても、証券取引法上の問題点が直ちに商法上の他の論点に影響を及ぼすとは言えないでしょう。
とりあえず全文が日経に掲載されました。
ライブドアの行動は、確かに異端児的ですが、最近の商法改正が、どんどんこうしたゲーム的資本主義に適った方向に向かって行われていたわけですから、今更あわてて感情的になるのもいかがなものかなあ、という感じがします(私自身は最近の商法改正の方向自体がやや行き過ぎで日本的経営から乖離しすぎるのではないかと感じていますが)。