「提携弁護士」とは、紹介屋、整理屋と結託した弁護士のことです。
………といっても何だかおわかりにならない方が多いかも知れません。
神田や新橋、新宿の駅のトイレや電話ボックスには必ずと言っていいほど「借入先が多くてお困りの方、低利で一本化します!」的な文句のチラシがおいてあります。
藁をもすがる思いで、このチラシの連絡先に足を運んでみると、窓口の人が「お気の毒ですが、審査の結果、あなたには貸せません」と冷たい宣告。がっくりするあなたに対して、親切そうな顔で「もしお困りでしたら、いい弁護士さんを知っていますよ」と、誘いの言葉が来ます。
これが「紹介屋」です。
渡された地図を頼りにその事務所に行ってみると、こちらの用向きなどすっかり分かってる風に出迎えられます。ここであなたがもし事務所の中を注意深く見れば(見られる場所を通った場合の話ですが)、事務員の数が妙に多いのに気がつくでしょう。
応接室に通され、待っていると、弁護士さんらしき人が入ってきて、あなたに名刺を渡します。しかし、渡された名刺の肩書きをよく見ると「事務局長」と書いてあります。
簡単に債務整理の説明をされ、契約書に書き込む段階になって、ようやく本物の弁護士が登場。名刺を渡されます。しかし、この弁護士、名刺を渡すと、話もそぞろに「あとはこの人とよく相談して頑張ってください」と退席してしまいます。以後、あなたがこの弁護士の顔を見る機会はありません。
この「事務局長」が「整理屋」です。そして紹介屋、整理屋と結託しているから「提携弁護士」と呼ばれるのです。
で、具体的に何が問題なのか。
つまり、あなたにとって大損をする可能性があります。
提携弁護士に事件を依頼することがどれほど危険かということについては、医者の場合に当てはめて考えてみてください。
あなたが病気になったとして、病院に行った場合、医者は出てきて自己紹介をしただけで奥に引っ込んでしまい、あとは看護婦さんが病状を聞き、聴診器をあて、薬を処方したとしたら、あなたはその病院に引き続きみてもらう気がしますか?
提携弁護士に依頼するのも同じことなのです。