弁護士の着手金も報酬金も、原則として解決すべき争いの対象となる経済的利益がいくらかによって決するものとされています。
通常の訴訟事件を例に取りましょう。
日弁連の報酬基準(近い将来なくなる可能性が強いですが)によれば、一般の訴訟事件の着手金は、
となっています。
例えば1,000万円の売掛金のうち、300万円は回収済みだが、残り700万円を支払ってもらえない。そこで訴訟を起こすことを弁護士に頼んだ場合、着手金はいくらかかるでしょうか。
この場合、回収すべき700万円が経済的利益の額となります。
上記の計算式に当てはめると、300万円を超え3,000万円以下の部分にあてはまりますので、700万円×5%+9万円=44万円が着手金の基準額になります。
しかし、日弁連の基準では、同時に「事件の難易によって、30%の範囲内で増減可能」とされていますので、結局着手金の額は、30万8,000円から57万2,000円の範囲内ということになります。
実際にはほとんどの弁護士は、日弁連の基準のうち、30%の「増額」規定の方はあまり使っていないと思われます。