弁護士がある事件を引き受ける場合、その事件が成功裏のうちに解決するかは、やってみなければわからないものといわざるを得ません。紛争には常に相手方が存在する以上、最初のもくろみ通りに解決することは必ずしも保障できませんし、同じ種類の事件は同じような手法を取れば必ず解決できるとも限らないからです。
その一方で、弁護士としても、事件受任の当初から、一定の解決を目指して取るべき手段を取り、時間をかけて事件に対処することは事実ですので、その見返りとして、事件を受任する段階で契約金のような形でいただくのが「着手金」です。
「着手金」とは文字通り、着手するためにいただくお金であり、支払われるまでは弁護士は事件に着手しなくてよいことになっています。また、事件の結果がどうあれ原則としてお返しはしません。
これに対し、事件が成功裏のうちに解決し、依頼者が一定の利益を得たと考えられる場合、その利益の程度に応じて弁護士にも分け前を下さい、というのが成功報酬です。成功報酬ですから、当然、依頼者が何の利益を得ていない場合にはいただくことはありません。
つまり、弁護士を頼む場合には、原則として最初と最後にお金がかかることになります。