とある弁護士に初めて相談に行った結果、何らかのアクションを起こすべきという結論に至ったとき、普通はその弁護士に「お願いします」という流れになると思われます。あなたが選んだ弁護士ですから、ケチをつけるつもりはありませんが、後で後悔しないために、一応私なりのチェック項目を挙げておきます。
これから何をすべきなのかについて、ろくに説明もせずに「私に任しておきなさい」という弁護士は、太っ腹な人とは言えるかも知れませんが、リスクが高い弁護士であるのは確かでしょう。
最悪の場合、着手金は支払ったけれども、その後何にもしてくれずに、結局依頼した件は手遅れに………という悪夢のような結末も考えられます。
依頼する件について、交渉をするのか裁判を起こすのか、どのような手順を踏むのか、どのような解決を目指すのか、弁護士はできる限り見通しを依頼者に説明する義務があります。これらの点について、何も具体的に話してくれない弁護士は注意した方が無難です。
法的紛争において、一方が100%悪く一方が全く落ち度がない、あるいは一方には何の言い分も成り立たない、という事態はあまりありません。双方に言い分があるから紛争が起こるのです。
相手のあるトラブルである以上、結果が当方にとって常に満足行くものとは限りません。裁判を起こしても、敗訴の危険は常にあります。
それを、「必ず勝てる」とか「絶対大丈夫」という弁護士は、ちょっと注意した方が無難でしょう。
「良薬口に苦し」という言葉がありますが、弁護士も同じです。あなたにとって耳の痛いこと、あなたにとっての弱みも敢えて指摘してくれる弁護士こそ、本当は信頼に足るものと考えるべきです。
弁護士費用には、弁護士会の定める一定の基準があり、具体的な金額はその事件の性質を考えて、弁護士と依頼者の協議で決定されます。といっても、初めて弁護士に依頼される方にとっては「協議」といわれても、相場も根拠もわからず、弁護士の言い値を飲む場合がほとんどでしょう。
ですから、具体的な金額について、せめてどういう算定基準に基づいてこの金額になるのかは弁護士に説明を求めるべきでしょう。この点について、はぐらかそうとしたり、訳のわからない説明をする弁護士は、注意すべきでしょう。