いやはや、「認められない!」と書いてしまって地裁で認められたときはけっこうびっくりしましたが、一応高裁で私の見解どおりの判断が下されたようで、個人的にはほっとしてます。
しかし、今回の地裁決定を巡っての報道で、ずっとずれているなあ、と感じていたのは、「基本合意に法的効力が認められるかが争点」とする報道。
法律家から見ると、これは明らかにピントがずれてます。基本合意書まで交わされている以上、法的効力がないわけがないです。問題は、その基本合意に、差止請求権を認めるほどの強い効力を認める状況か、というものです。高裁は、(報道を見る限りでは)信頼関係が破壊されているという前提論から差止請求を否定しましたが、合意の法的効力自体は認めています。
それにしても、週刊文春の差止の件といい、今回の件といい、最近の東京地裁保全部はなかなか飛ばしてますねえ。