本日、日弁連から全会員宛にファクスが届きました。内容は例のパーティ券問題に対しての見解、対応、謝罪といったものです。
この中で日弁連は、相当以前から「慣行」として支出されてきたことを認めています。「支出先は与野党を含む複数の政党や政治家」だそうです。
その上で、「今後の方針」として、
1 日本弁護士連合会は強制加入団体であることから、社会通念及び政治資金規正法等に照らし、政党や政治資金団体への政治献金と見なされる支出は行うべきではないと判断し、今後はこのような支出は行わないこととする。
2 平成12年度、13年度の支出済みの同種の支出については、本日執行部において当連合会の会計への補填を行った。
ということでした。
残念ながら、全く不十分な対応と言わねばなりません。
まず1ですが、強制加入団体が政治献金をするのは社会通念上の問題どころではなく、憲法上きわめて疑義があることは、弁護士(というか司法試験受験生)なら誰でも知っていることです。違憲の疑いさえある行為を行っておきながら、法律かが敢えて憲法上の問題点を避けて通るかのごときコメントは日弁連の法曹としてのセンスを疑わせるものです。
そして2についても、2年分を返せばいいというものではなく、過去にさかのぼって返すべきでしょうし、歴代執行部は雁首を揃えて謝罪すべきでしょう。
何より問題なのは、国民に対する謝罪の観点が抜けていることです。今回の件は、「市民のための司法改革」を標榜し、「司法改革署名運動」など鳴り物入りの運動を展開してきたはずの日弁連が、結局は単なる自民党の圧力団体の一つでしかなかったのかと国民に思われてしまった点が最も重大な点です。その点に対する自省の念がどこにも感じられないのでは、もはや国民からの信頼は得られないと思わねばなりません。情けない、の一言につきます。