8月20日の日誌で困った調停委員の話をしましたが、まさにその困った調停委員にあたってしまい、弱り果てていた調停事件が何とか和解にこぎつけました。
といっても、その困った調停委員が調停をまとめ上げたわけではなく、我々代理人の度々の苦情申し入れに慌てた裁判官が、毎回調停に立ち会うという異例の手続でまとめ上げた形です。
壊れかけた調停を何とかまとめ上げた裁判官の努力と熱意には頭が下がりますが、それにしてもこの調停員はひどすぎます。
記録は読まずに自分の勝手な意見を押しつけて調停を不信の渦巻く場に変えてしまった自覚は全くなく、本日も言いたい放題でした。
裁判官は、もうその調停委員に言いたいことを言わしてはまとまるものもまとまらなくなることがわかっていて、その調停委員が何かしゃべろうとすると慌てて遮って、自分がしゃべり出して何とかその場の流れを変えようとするのですが、この調停委員はそれでも懲りずに合間合間で不規則発言(?)をするのです。
挙げ句の果ては、もう話が煮詰まって、裁判官自身が「後はもう細かい理屈抜きでこの金額が呑めるかどうかだけです」と宣言し、法律論ではなく「あと50万円」「100万円」という最後の駆け引きをして裁判官と代理人、こちらの本人がぎりぎりの腹のさぐり合いをしているときに、突然こちらの本人に向かって「あなたねえ、もう少し法律に従った発想をして欲しいんだよ」などと訳のわからないことを言いだしたため、こちらの本人も「裁判官が理屈抜きと言っているのに何を言っているのか」と激怒してしまい、この一言で調停が壊れんばかりの危機に陥りました。
あまり批判ばかりしたくはありませんが、成立はしたものの、こちらの本人は本当に憤懣やるかたないという感じで、後味の悪い調停になってしまいました。