世の中全体が不景気のせち辛さで余裕が無くなっていますが、弁護士の世界とても例外ではないようです。
弁護士の卵たる司法修習生、かつては「金の卵」であり、バブルのころまでは新人弁護士の争奪戦が演じられました。
新人確保のためには、指導担当弁護士になって、青田刈りをしてしまうのが一番、と言う考えからか、そのころは司法修習生の指導担当弁護士の希望者も多かったと聞いています。
ところがバブルがはじけて弁護士の経済力にもかげりが見える一方、司法試験合格者の数は倍に増え、司法修習生の数も当然倍になりましたが、指導担当弁護士の希望者の数は増えるどころか逆にジリ貧です。
修習生の就職市場も売り手市場から買い手市場にすっかり変化しているため、指導担当弁護士の旨味はなくなり、かえってボランティアとしての負担感だけが増しているためでしょう。
特に私の所属する東京弁護士会の司法修習委員会は、指導担当希望者が不足して危機的状況を迎えています。ついに、「刑事弁護の指導も義務づけるからいやがる人が多いのではないか?刑事弁護については別の人を指導にあてればすむ話ではないか」と言うせっぱ詰まった提案が出てきました。
本日聞いたところによると、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会はそこまでせっぱ詰まってはいないとのこと。会務活動に熱心なはずの東京弁護士会ですが、後輩指導の熱意については、もはや崩壊寸前と感じざるを得ません。