土浦支部の事件がようやく和解で解決しました。
まあ、めでたしめでたしというところですが、この裁判、和解ができずに判決になってしまった場合、私としては非常に困ったことが一つありました。
それは前任者の書記官が作成した証人尋問調書です。
証人尋問調書は、最近までは速記官という専門の担当がいて、尋問を聞きながら速記タイプを打ち込み、調書に起こしていました。
ところが、裁判所は最近、新任の速記官採用を取りやめ、複雑な尋問は業者にテープ起こしを外注し、比較的簡単な尋問は書記官が自らテープを起こして調書にする方針に切り替えてしまいました。
しかし、この書記官調書が問題が多いのです。これは書記官研修所(最高裁が運営)の教育に大きな問題があるからに違いないのですが、とにかくめちゃくちゃな要約を行ってしまうのです。
この件がまさにそうで、私の尋問自体、そう成功した方でもありませんが、それを割り引いてもひどい調書になっていました。
例えばこうです。
問い あなたの言い分は、私が以前にお聞きしてこの陳述書に書きましたね。
答え はい、そうです。
問い その際には、あなたはその時点の記憶ではこれに間違いないと言うことで、この陳述書に署名捺印していただきましたよね。
答え はい、そうです。
問い しかし、今現在になってみるとどうですか。
答え 改めて考えてみると、いくつか記憶違いをしていた点があります。
問い では、その違っていた点を中心に聞いていきます。(以下略)
実際のやりとりではこのような感じだったのが、調書ではこの部分が、
「この陳述書の内容で間違いありません」
とだけ要約されていたのです。
私の驚愕がおわかりいただけるでしょうか?実際の尋問では、陳述書にいくつか訂正があることを確認した上で、訂正部分について質問していったつもりが、調書を見る限り、この証人は「陳述書に間違いはない」と大見得を切りながら、その後で自ら陳述書と違うことを答える自己矛盾の証人になってしまっているのです。
私が裁判所に抗議して訂正を申し入れたのは当然ですが、なぜか現行法では調書の訂正の申し立て権が当事者にないのです。裁判官は「まあ、そうたいした違いでもないでしょう」などと言って、結局訂正してくれませんでした。和解ができたからいいものの、判決になってしまって、控訴審になった場合、この調書が証拠として判断されるわけですから困ったことです。
本日、日弁連から全会員宛にファクスが届きました。内容は例のパーティ券問題に対しての見解、対応、謝罪といったものです。
この中で日弁連は、相当以前から「慣行」として支出されてきたことを認めています。「支出先は与野党を含む複数の政党や政治家」だそうです。
その上で、「今後の方針」として、
1 日本弁護士連合会は強制加入団体であることから、社会通念及び政治資金規正法等に照らし、政党や政治資金団体への政治献金と見なされる支出は行うべきではないと判断し、今後はこのような支出は行わないこととする。
2 平成12年度、13年度の支出済みの同種の支出については、本日執行部において当連合会の会計への補填を行った。
ということでした。
残念ながら、全く不十分な対応と言わねばなりません。
まず1ですが、強制加入団体が政治献金をするのは社会通念上の問題どころではなく、憲法上きわめて疑義があることは、弁護士(というか司法試験受験生)なら誰でも知っていることです。違憲の疑いさえある行為を行っておきながら、法律かが敢えて憲法上の問題点を避けて通るかのごときコメントは日弁連の法曹としてのセンスを疑わせるものです。
そして2についても、2年分を返せばいいというものではなく、過去にさかのぼって返すべきでしょうし、歴代執行部は雁首を揃えて謝罪すべきでしょう。
何より問題なのは、国民に対する謝罪の観点が抜けていることです。今回の件は、「市民のための司法改革」を標榜し、「司法改革署名運動」など鳴り物入りの運動を展開してきたはずの日弁連が、結局は単なる自民党の圧力団体の一つでしかなかったのかと国民に思われてしまった点が最も重大な点です。その点に対する自省の念がどこにも感じられないのでは、もはや国民からの信頼は得られないと思わねばなりません。情けない、の一言につきます。
最初の日誌で愚痴った奈良の事件の次の期日がやってきました。
月曜日の期日でしたので、土日から行って観光でもしようかとも考えていたのですが、残念ながら昨日夕方に用事が入ってしまい、例によって日帰りの出張となりました。
でもって、裁判の中身は………まあもう愚痴るのはやめましょう(笑)。
今回気づいたのですが、奈良地裁は敷地内に枯山水もどき(?)の石庭があるのです。さすが奈良、裁判所も風流ですが、あまり手入れの方は行き届いていないようでした。
昨日、ついに2台目のデジカメを購入してしまいました。
今までは2年前のFinePix1500を使っていたのですが、これは画質的には気に入っていたのですが、いかんせんズームがないことと、動画の機能が全くないことがやや時代遅れという感じでした。
今回買ったのは、写真をご覧になればわかるとおり、SONYのCyber-shot DSC-P5です。
SONYのこのシリーズは、弟や知人が持っているので使わせてもらったこともありますが、やや画像が青みがかる傾向があるように感じられ、カメラとしてはそんなに好きではありませんでした。
また、メモリースティックも、SONY以外の製品との親和性は今のところ無いため、あまり評価していません。それなのになぜ、この製品かというと、水中撮影用のハウジングをメーカー純正で揃えている製品が、めぼしいところでこれとCanonのIXY DEGITAL300くらいしかないからです。夏は水泳部の合宿で館山の海に行きますし、近々ダイビングにいくこともあり、この製品になってしまいました。
まあ、文句ばかり言っていても仕方ありませんので、いい点も上げますと、横長のフォルムは慣れればかなり使いやすそうです。残量がわかるインフォリチウム電池も便利です。その他は、まだあまり使ってないのでよくわかりません(^^;
せっかく高い金を出して買ったので、業務にもいろいろ使い道を考えられないかと思案しています。
ちなみに、掲載の写真は古い方のデジカメで撮ったもので(当たり前か)、これを最後に古いデジカメは嫁さんに払い下げです。
重大な犯罪を犯しながら、責任能力が問えずに無罪や不起訴になった精神障害者について、裁判官・医師・精神保健福祉士らが協議して入通院の要否や退院の許否を判定する機関を設けるという法案が構想されているそうです。
精神障害者が絡む重大犯罪が起きるたびに、議論されてきたことではありますが、今まで結局制度が作られなかったのにはそれなりの経緯があります。
数十年前の刑法改正議論の際に作成された改正刑法草案には、「保安処分」として犯罪を犯した精神障害者を裁判所の判断で治療施設に収容する制度が含まれていました。
しかし、その発想はいかにも社会防衛的なもので、本人に対する治療の必要性よりも犯罪の重大性や社会の被害感情を優先させかねないものとして、激しい批判の対象になっていました。刑事政策の学者の中でも反対論の方が多かったようです。
将来の犯罪行為のおそれを理由に、精神障害者を強制的に入院させる制度としては、既に「自傷他害の恐れ」を要件とする措置入院の制度があります。これは2名の指定精神科医の診断が必要とされていますが、刑事事件と直結した制度であるということ、裁判官が判定に加わるところが今回の案の新味でしょうか。
しかしながら、裁判官が加わって何をするかが問題です。単に犯罪の重大性や社会の被害感情の大きさを理由に入院の要ありとされないでしょうか、仮にそうなってしまうとすれば、形を変えた保安処分の復活です。
精神障害者に対する治療は未だ完全なものにはなっていません。社会が精神障害者を隔離してホッと一安心、そのさきのことは忘れてしまうのであれば、本当の解決にはなってないはずです。精神障害に対する医療水準の充実が先決のような気がしてなりません。
8月20日の日誌で困った調停委員の話をしましたが、まさにその困った調停委員にあたってしまい、弱り果てていた調停事件が何とか和解にこぎつけました。
といっても、その困った調停委員が調停をまとめ上げたわけではなく、我々代理人の度々の苦情申し入れに慌てた裁判官が、毎回調停に立ち会うという異例の手続でまとめ上げた形です。
壊れかけた調停を何とかまとめ上げた裁判官の努力と熱意には頭が下がりますが、それにしてもこの調停員はひどすぎます。
記録は読まずに自分の勝手な意見を押しつけて調停を不信の渦巻く場に変えてしまった自覚は全くなく、本日も言いたい放題でした。
裁判官は、もうその調停委員に言いたいことを言わしてはまとまるものもまとまらなくなることがわかっていて、その調停委員が何かしゃべろうとすると慌てて遮って、自分がしゃべり出して何とかその場の流れを変えようとするのですが、この調停委員はそれでも懲りずに合間合間で不規則発言(?)をするのです。
挙げ句の果ては、もう話が煮詰まって、裁判官自身が「後はもう細かい理屈抜きでこの金額が呑めるかどうかだけです」と宣言し、法律論ではなく「あと50万円」「100万円」という最後の駆け引きをして裁判官と代理人、こちらの本人がぎりぎりの腹のさぐり合いをしているときに、突然こちらの本人に向かって「あなたねえ、もう少し法律に従った発想をして欲しいんだよ」などと訳のわからないことを言いだしたため、こちらの本人も「裁判官が理屈抜きと言っているのに何を言っているのか」と激怒してしまい、この一言で調停が壊れんばかりの危機に陥りました。
あまり批判ばかりしたくはありませんが、成立はしたものの、こちらの本人は本当に憤懣やるかたないという感じで、後味の悪い調停になってしまいました。
本日午前中いっぱい、病院でMRI検査と診察を受けていました。
10月5日から倒れていた例の原因不明な手のしびれ病です。
この2週間で、自覚症状としてはほとんど回復してしまっていたのですが、検査の結果はやはり「異状なし」でした。
握力も10月9日には両手とも24しかなかったのが、本日は右が37、左が34と、ほぼ平常水準まで回復していました(私はあまり握力がない方です。ついでに言えば、生来左利きだったのを矯正したため左右の握力がほぼ同じです)。
治ったこと自体は喜ばしいのですが、原因不明なのは困ります。いつまた再発するやら心配です。
………と、医者に食い下がったのですが、結局明確な診断は出ずじまいでした。
我が体ながらわけのわからなさに頭を抱えてしまいます。
とはいえ、勝手に先週からリハビリと称して筋トレも再開してますし、昨日も泳ぎに行きましたが何ともなかったので、もう気にせず業務に励むことにしましょう。
それにしても、MRI検査を受けたことのある人はわかると思いますが、穴蔵のような所にベッドがスライドして入っていって、穴蔵の仲では怪音が響き渡るというあの感覚は、どうも宇宙人にさらわれて人体実験をされているような錯覚を起こしてしまい精神衛生上よくありませんね。
以前の日誌で個人再生手続の使いにくさを書きましたが、究極の利用法というのに気がつきました。
9月3日の日誌で書いたような、一度破産して免責決定を受けたにもかかわらず、またも誘惑に負けて街金・ヤミ金から借金を重ねてしまい、進退窮まってしまった人の場合です。
以前に書いたように、一度免責決定を受けると10年間は再度の免責は受けられませんから、破産もできなくなってしまう(と言うより破産宣告を受けても意味がない)わけですが、個人再生手続(給与所得者再生は除く)は利用可能です。
ヤミ金の違法な高金利業者を手っ取り早くあきらめさせるには、裁判所に舞台を移してしまうのが一番簡単なので、個人再生でも効果はあるでしょう。
問題は、そのように何度も借金地獄にはまってしまう人が、個人再生の再生計画認可まできちんと約束を守って毎月の弁済準備金を積み立てられるかです。これができなければ、もはや救いようはありません。この点に関しては、ご本人の自覚を期待するばかりです。
本日は元々午前中に浦和地裁の法廷が1件あり、午後から小岩での法律相談担当のはずでした(少なくとも私の手帳にはそう書いてありました)。
このうち、浦和の事件は都合により延期となり、私の午前中の予定がぽっかり空いてしまいました。よしよし、この機会にたまった起案でもやるかと考えながら、今朝事務所に着いたところ、
「10時から法律相談のはずなのになぜまだ来ないのか!」と小岩から怒りの電話があったそうで。
どうやら私がうっかり手帳に時間を書き間違えてしまったようです。法律相談の時間を間違えるなんて今までなかったのになあ。最近忙しかったせいか、直前にチェックするのもおろそかにしていたつけが回ったようです。
不幸中の幸いで、午前中が空いていたため、事務所から45分遅れで駆けつけ、平謝りで相談を3件こなしました。
これで終わらないのが人生のおもしろいところ(?)で、夕方6時に全ての打ち合わせを終わり、後は7時からの弁護士会での会議に出るだけと思って残務整理をしていたところ、来るはずのない依頼者が来ました。どうも彼は、あさって6時のはずの打ち合わせを本日と勘違いしてきたらしい。
おかげで会議の方も遅れることになりましたが、私も勘違いをしてしまった日ですから、お互い様ということでしょうか。
つい先ほど朝日新聞の記事で見ただけで、詳しいことは知りませんが………「日本弁護士連合会が自民党代議士の保岡興治氏の政治資金パーティーの券を買っていた」と判明し、会員の政治的信条の自由と絡んで問題になっているそうです。
確かに司法改革の流れが始まってからの日弁連執行部は、熱に浮かされたように政界、官界にすり寄りロビー活動の鬼となっていた感があります。
その中でも自民党の保岡議員は、タカ派的信条はともかく貴重な「法務族」議員として、格好のロビー活動の対象とされたのでしょう。
こうした活動が一定の成果を上げたのは否定しません。しかしながら、日弁連名義でパーティ券を買うのはどう考えてもやりすぎでしょう。我々の会費ですよ。強制加入団体が会費を政治活動に使うとは、憲法上問題があるというのが日弁連の立場ではなかったのではないですかね。やりたきゃてめえの金でやりなさいな>日弁連官僚諸君。
日頃、司法書士会や行政書士会が自民党に巨額の献金をしているのを批判的に見ていたはずの日弁連としてはかなりお手つきで、国民の信頼を失ったことは否めないでしょう。政治家に媚びを売っても国民から幻滅されては司法改革も成り立つかどうか。
マスコミからの取材に対して、まるで企業の広報部のように「社会的儀礼の範囲内で」などと冴えない言い訳をしているあたり、何だかなあ、と哀しくなってしまった一会員でした。
*この日誌は当初「パーティ券」という題名でしたが、わかりやすくするため改題しました。
嫁さんが一念発起して、ダイビングのライセンスを取りました。
私自身は20歳のころにライセンスを取ったので、これで晴れて夫婦でファンダイブが楽しめるようになります。
それはいいのですが、ダイビングの講習や、ファンダイブの度に思うことですが、やる前に書かされる申込書の免責約款条項、あれはいいかげんに何とかならないですかね。
免責条項によれば、「いかなる場合でも自己責任、自己があってもガイドやインストラクター側の責任は一切問わない」ことになりますが、実際事故が起こった場合、この条項があるために裁判を起こしても負けてしまうかというと、そんなことはないでしょう。
実際、ダイビング中の事故に関してガイド側の責任を認めた判決はいくらもあります。要はガイド側に過失が立証されれば、責任が認められているわけで、免責条項があるから責任は問えないとした判決など無いのではないでしょうか(多分、縮小解釈しているか、公序良俗に反して無効としているのでしょう)。
ですから、このような意味のない免責約款などやめて、普通の注意書きにすればいいのではないですかね。意味がないとわかっていても、書かされるのは気分が悪いです。
(その1)
お騒がせした病状ですが、かなり良くなってきました。握力の瞬発力はほぼ戻りました。持久力がまだいまいちという感じです。
いったい何だったんでしょう。知り合いに言うと「狂牛病だろ」とか「炭疽菌じゃないの」とか笑えない冗談ばかり言われるようになってきたので、見た目には病み上がりに見えないのでしょう。
(その2)
事務局の一人が退職することになり、後継者を採用しなければなりません。
弁護士会にストックされている希望者の履歴書のうち、適当なものを見繕って電話をかけるのですが、これはと思う人は決まっている例が多くて、今日話した人は全員振られました(^^;うち一人は私の知り合いの同期の弁護士の所に就職が今日決まったそうで、先を越されました。。。
就職難の世の中とはいえ、巡り合わせが悪いとこんなもんです。
世の中全体が不景気のせち辛さで余裕が無くなっていますが、弁護士の世界とても例外ではないようです。
弁護士の卵たる司法修習生、かつては「金の卵」であり、バブルのころまでは新人弁護士の争奪戦が演じられました。
新人確保のためには、指導担当弁護士になって、青田刈りをしてしまうのが一番、と言う考えからか、そのころは司法修習生の指導担当弁護士の希望者も多かったと聞いています。
ところがバブルがはじけて弁護士の経済力にもかげりが見える一方、司法試験合格者の数は倍に増え、司法修習生の数も当然倍になりましたが、指導担当弁護士の希望者の数は増えるどころか逆にジリ貧です。
修習生の就職市場も売り手市場から買い手市場にすっかり変化しているため、指導担当弁護士の旨味はなくなり、かえってボランティアとしての負担感だけが増しているためでしょう。
特に私の所属する東京弁護士会の司法修習委員会は、指導担当希望者が不足して危機的状況を迎えています。ついに、「刑事弁護の指導も義務づけるからいやがる人が多いのではないか?刑事弁護については別の人を指導にあてればすむ話ではないか」と言うせっぱ詰まった提案が出てきました。
本日聞いたところによると、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会はそこまでせっぱ詰まってはいないとのこと。会務活動に熱心なはずの東京弁護士会ですが、後輩指導の熱意については、もはや崩壊寸前と感じざるを得ません。
そういえばこの前の「どっちの料理ショー」で、マツタケvsサンマ対決をやっていましたが。
一昨日に以前の依頼者からマツタケをいただきました。
この方は親族が山を持っているそうで、3年前も「偶然いいものが取れたので」と、取れたてのマツタケを下さったことがありました。もう事件が終わって2年近く経つのに、また送って下さるとはありがたい限りです。
早速実家の親まで呼び寄せ(というより、料理を手伝わせるためですが)、昨日はマツタケづくしの豪華な夕食となりました。
こんなことでもなければ、国産のマツタケなど多分口には入らないでしょうから、持つべきものはいいお客さん、ということでしょうか。あまりうれしかったので、ちょっと自慢してしまいました。
今日は午後1時30分に横浜地裁本庁、午後3時30分に相模原支部と、神奈川県横断の旅をやってしまいました。
事務所から東京駅まで徒歩15分、東京駅から関内駅まで京浜東北線で45分、これで横浜地裁へ。
関内駅から桜木町駅で乗り換えて、横浜線で相模原駅まで40分、これで相模原支部へ。
帰りは相模原駅から横浜線で八王子駅まで出て、八王子駅から中央線で延々と1時間半かけて帰ってきました。つまり、横浜線を全線乗ってしまったことになります。JRから表彰してくれないかなあ。
半日にわたって通勤列車の座席に座り続けていたため、お尻が痛くなってしまいました。こうなるともう、寝るわけにもいきません。
こういう近場の出張はなぜか重なることが多く、明日は朝一で熊谷出張、あさってはまた横浜出張です。
本日は、とある大企業の法務部と喧嘩をしていました。
内容は他愛のないことで、私が私の依頼者の代理で、その大企業の支社の社宅の賃貸借契約の継続の件につき、連絡文書を送付して回答を求めたところ、なぜかその法務部から「依頼者の委任状、印鑑証明、そして私の印鑑証明」を送れ!と言うのです。
依頼者の委任状の写し、まあ百歩譲って依頼者の印鑑証明はまだわかります。依頼者と私の委任関係の証明として、まあ法理論的に理屈が立たないわけではないでしょう。
しかし、私の印鑑証明とはなんぞや?私が独自に法律行為を行うわけでもないし、私が直接行動しているのですから、私が本人かどうかは印鑑証明なんか無くても確かめられるはずです。公正証書を作ってるわけではないんですから。
おまけに、この件はこちらがお願いすべき立場にあるわけではなくて、契約関係の継続について、これこれの手続をしてもらえたら当方は継続を認めます、と便宜を図ってあげている事案なのですから、こちらがそこまで負担すべきものではないでしょう。
ということで、たいしたことではないですが、「私の印鑑証明などは出さない!文句があるなら契約の継続はしません!」と押し切ってしまいました。それにしても、印鑑証明があるから途端に私が信用できる弁護士に返信するわけでも無かろうに。まるでお役所のような(マニュアルしか考えない)対応に、ちょっと憤慨していたのでした。
それにしても、弁護士も数が増えていくと、バッジだけでは通用しなくなって、常に印鑑証明を要求されるようになるのですかねえ。
本日は、参議院議員の鶴保庸介氏と衆議院議員の野田聖子氏の結婚披露宴に出席してきました。
マスコミをにぎわしたこの二人ですが、私は偶然、鶴保と大学の同クラスであったため(ですので呼び捨てにさせてもらいますが)、他のクラスメイトと一緒にお呼ばれしたわけです。
国会議員同士の結婚披露宴ということもあり、相当政治家政治家したものになるのかなあと戦々恐々として出かけたのですが、さすがに人数こそ約300人とかなりな数ですが、お偉いさんを揃えたわけでもなく、比較的アットホームな感じで好感の持てる演出でした。
私は政治家鶴保とは政治的スタンスも別に一致しているわけでもないですが、この辺の感覚は非常にうれしく思いました。鶴保によれば「居酒屋でも何でも良かった。親しい人を集めて御祝いをやりたかった」そうですが、新婦野田聖子氏が「ノリが居酒屋になるのはまだしも、場所はせめてホテルで!」ということでホテルになったそうです。
それにしても、新郎より7つ年上の上に勝ち気な新婦なので、鶴保も大変だね。まあ、自分で選んだんだから、がんばってもらうしかないか(^^)
同テーブルでは久々に大学時代のクラスメイトと顔を合わせ、懐かしい思いをしました。
ノーベル平和賞が国連アナン事務総長に決定したそうですね。
テロに対する政治的な配慮、というものも受賞理由にあるという分析もあるようです。受賞によって、国連と事務総長が脚光を浴びれば、今後のテロ対策へ国連がイニシアチブを取れるのではないかと期待して、ということでしょうか。
何か納得がいきません。
9月21日の日誌でも発言したことですが、アメリカの軍事行動には、先日の「テロ非難決議」に加えての新たな国連決議は必要ない、と発言して、勝手にアメリカの空爆にお墨付きを与えてしまった事務総長のどこが「平和賞」なのでしょうか?
その時点で事務総長としてもっと主体的な発言をしていれば、今回の受賞にも違和感はないし、より大きな追い風となったような気がします。第1段階からアメリカにいきなり迎合してしまった国連が、アメリカと対立する国も巻き込んで反テロの包囲網を築いていくのは至難でしょう。今回の平和賞は、まるで14日目で7敗目を喫し、千秋楽に勝ち越しのかかってしまった力士に早々と殊勲賞を決定してしまったかのような違和感があります。
ともあれ、受賞してしまったわけですから、事務総長にはこれからでもがんばってもらわないといけませんね。
(その1)
病状ですが、ようやく何とか字が書けるくらいまで回復しました。まだスピードが半分くらいですがね。筋肉が半分くらいはストライキ状態です。
(その2)
今週の仕事は債権者集会を除いて全てキャンセル………のはずだったのですが。
明日の無料法律相談(江東区担当)の担当ははずれていないことが判明。
本日しっかり確認の電話が来て、出ることになってしまいました。
(その3)
弁護士の世界でも、PDAは最近Palmが主流らしいですが、私はキーボードがついてないとだめ、カットアンドペーストができないとだめなので、キーボード付きのCE機を使っています。
3年ほどCASSIOPEIA A-51を使っていましたが、さすがに古くなり昨年暮れにシグマリオンに買い換えました。
しかし、まるで私と歩調を合わせるように、昨日ヒンジ部分が突然ガタガタになってしまいました。
近くのドコモショップに持っていったら、修理で3週間はかかるとのこと。何を考えているのやら。PDAを3週間も預けてらんねえよ!
ピックアップサービスがあり、1週間程度で帰ってくるIBMのサービスが改めて対したもんだなあと思いました(時々悪評もありますが)。
本日から業務に一部復帰しました。
「一部」復帰なのは、まだ大量にキャンセルした予定はそのままだからで、本日出たのはキャンセルの利かない債権者集会(管財人側1件、申立人側1件)でした。
下肢の筋肉痛はようやく峠を越したようで、まあ普通に歩けるようになりました(脚力はやや弱った感じですが)。
大問題の手の方は、右手が引き続き微妙に回復傾向にあるので、もう少しですかね。来週には全面的に復帰できるようになっていたいものです。
ご無沙汰してますが、この3日間は激動でした。
発熱は日に日に下がり、8日夕にはほぼ平熱に戻りましたが、下肢の筋肉痛は全く治らず、その上8日から両手の手先に力が入らなくなり、右手は字も書けない状態、左手に至ってはコーヒーカップも持てない状態になってしまいました。
なんじゃこりゃ??
やむをえず1日分の予定を全てキャンセルして、9日に主治医に血液検査の結果を聞きに行ったところ、「異状なし」とのこと。筋肉の炎症を示す数値も異状がないとのことで、全く原因不明。神経内科に行ってみるしかないと言われ、急遽知り合いの医者をたどって神経内科の医者に連絡を取ったところ、「ギランバレー症候群の疑いがあるので、即入院」と言われてしまいました。
即入院??
こりゃあ困った。11日には管財人として債権者集会も抱えてるし………それでも仕方なく、事務所に連絡して近々の予定を全てキャンセルをお願いし、近親者に「入院」との連絡をした上で、入院支度を整えて、9日夕方に病院に行って、救急外来で診察を受けました。
1時間近く、問診を受け、あちこちつつかれた結果、「ギランバレー症候群の可能性は低いので、入院の必要はない。首か肩の神経系統に異状がある可能性がある。明日午前中にもう一度来て検査を受けて欲しい」と言われてしまいました。「さあ入院だ!」と覚悟を決めてきたのに(^^;
それでも、入院してしまうと仕事に出ようにも身動きが取れないおそれがあるので、家に帰り、本日また診察・レントゲン・血液検査を受けに行きました。すると今度は、筋肉に炎症があることがはっきり数値で出たとのこと。6日の検査では何もなかったのに………神経系統ではない可能性が強くなり、医者が頭を抱えていました。
結局、原因は今もって不明。MRIをやらないと最終的な診断は下せないのですが、MRIの予約が2週間先まで入らず、それまでは様子見と言うことになってしまいました(日本の裁判所みたい)。
まあ、右手に関しては今日は昨日よりはやや改善されて、なんとか字が書けそうなところまで来たので、明日から仕事に復帰します。とりあえず、業務日誌が完全に「闘病日誌」になってしまう事態はひとまず回避されそうです。トホホ。
更新情報欄に書いたとおり、熱を出して寝込んでます。
元はと言えば、3日くらいから何か調子が悪いなーとは思っていたのですが、日誌にも書いたとおり、4日に早朝から夜までのフル回転の予定を入れてしまったのがどうやらとどめを刺してしまったようです。
5日も仕事はしていましたが、何やら全身の筋肉がフルマラソンを走りきった翌日のように痛み、ただごとではない感じでした。
その日はまだ熱は出ていませんでしたが、大事を取って早寝したのですが、昨日朝起きたら8度3分でした。38度以上の熱なんてさすがにここ5年くらい出していなかったのですが。
例の主治医に診察を受けに行ったのですが、風邪症状らしきものが全くないため、現在のところ風邪とも断定できず、検査結果が出るまで様子見とのこと。抗生物質をもらって、最初の半日は効きましたが、今朝からまた熱がぶり返してしまいました。こりゃ私が高1の時に1週間くらい過労でぶっ倒れたときとそっくりで、しばらく尾を引く気配………。少なくとも3連休は丸つぶれですね。週明けまでによくなりゃいいですが。
早く治さないと、この欄が業務日誌ならぬ闘病日誌になってしまいますね(^^;
今日は朝から晩まで超多忙な一日でした。
ですので、珍しく本当の日誌風に。
8:00
霞ヶ関ビルで派閥の執行部の朝食会。眠い。
9:35
自分の担当の議題がやっと回ってくるが、10:00の予定のために早々に早退。
10::00
私が申立代理人の破産事件の管財人と打ち合わせのため、内幸町の管財人の事務所に行く。依頼者とビルの1階で待ち合わせするが、遅れて困る。
11:05
ちょっと時間が余ったため、弁護士会ビルの会員室で一息。朝食会で一緒だった先生にここで偶然再会し、雑談。
11:30
別な破産申立事件の債権者集会。裁判所も混み合っていて、20分くらい待たされる。
12:30
ようやく事務所にたどり着く。昼食。
12:40
1:00に予定している相談者から遅れるとの連絡。来るまで電話を4件かけ、メールチェック。連絡書を2通作成。事件記録を読む。
2:20
ようやく相談者が現れる。
3:30
相談終了、そのまま霞ヶ関に直行。
4:00
司法修習委員会正副委員長・班長会議に出席。5:40まで続行。途中で退出。
6:00
事務所に戻る。6時予定の相談者が既に待っているので、打ち合わせ開始。
6:45
7時予定の依頼者が都合により打ち合わせをキャンセルして欲しいとの連絡。6時の相談者との打ち合わせを続行。
7:30
7時半予定の依頼者と打ち合わせ。
8:10
8時予定の依頼者と打ち合わせ。
8:40
全ての打ち合わせが終わる。今日はもう疲れて人事不省状態。帰ります。
タフな弁護士ですと、これから夜遅くまで起案をしたり、あるいは朝まで飲んでたりするわけですが、ひ弱な私はもう夕食を食って寝るだけです(^^;
本年度司法書士試験択一式問題に出題ミスがあったことを法務省が認めたそうです。
試験たるもの、人間の作る問題なので、出題ミスがゼロにはならないでしょう。問題なのは、今年初めて正解が発表されることになったので、初めて公式に「出題ミス」が確認された、ということです。
つまり、これまでは、正解が発表されないため、ミスがあるかもわからない、出題ミスが見逃されてそのために不合格になったかも知れない人が何人いるかどうかもわからない、ということです。
これは、司法試験も同じで、司法試験の場合、これまでは試験問題すら公式には発表されない(問題用紙は回収されてしまう)状態でした。択一式の過去問題は、予備校の血のにじむ(?)ような努力の末に「再現」されたものだったのです(司法書士試験も同じかも知れませんが、よく知りませんので)。
問題すら公式にはわかりませんので、再現された問題が、正解のない問題じゃないかという「?」なものであっても、法務省は当然知らん顔です。
情報公開の時代になり、ようやく出題ミスが指摘できる世の中になったことを喜びつつ、どうしてこれがもっと早く実現できなかったのかなあ、と思わずに入られません。
つい最近もマイカルが申立をして、知らない人はいないんじゃないかというくらい有名な民事再生法ですが、この法律の特則である「個人再生手続」もこの春から施行され、大々的に宣伝している法律事務所もあるようです。
しかしながら、この制度、少なくとも普通のサラリーマンにはほとんど使い道がないのではないか?と思われます。
まず、鳴り物入りで登場した住宅ローン条項。保証会社が代位弁済して競売寸前でもローン会社に巻き戻しができるウルトラCとして注目されました。しかしながら、現実にできた法律の中身は、住宅ローンについては利息、遅延損害金(=延滞金)ともカットは一切認めない。認めるのは返済期間の延長だけといっても過言ではありません。しかもこの期間延長にしても、返済終了時の年齢制限があるため、現実には延長が不可能な場合も多々あります。
その一方で、民事再生の申立をするからには一度は全ての債務の返済を止めなければならないため、必ず延滞金が発生することになってしまいます。このカットが認められない以上、非常にリスクが大きい割に、成功の可能性や成功したことによるメリットが薄い制度と言わざるを得ません。
また、サラリーマンのための制度のはずの、給与所得者再生の制度ですが、この制度は普通の個人再生手続の中の特則という形になっています。普通の個人再生手続が再生計画の認可に債権者の同意(多数決)が必要とされているのに対し、給与所得者再生は同意がなくとも再生計画は認可されます。
しかし、そのためには別な条件があります。それは、2年分の可処分所得の額を3年で返済することが必要だということです。可処分所得とは、その人の所得から政令で定める生活に必要な最低限度の費用を除いた「家計の余裕」とでもいうべきもので、つまり3年間、「家計の余裕」の3分の2は返済に充てなければならないということです。
ところが、この「政令で定める最低限度の生活費」というのは、生活保護の基準と同様のもので、非常に厳しい額です。従って、可処分所得を計算すると、予想外に多額の返済を強いられることになる場合が多いです。これなら少しは期間が長くなっても、任意整理で返した方がいいんじゃないか、あるいは破産してしまえ、という結論に達する場合がほとんどと言っても差し支えありません。
かといって、サラリーマンなのに給与所得者再生の制度を使わず普通の個人再生手続を選択すると、前述のように債権者の同意が必要になるわけですが、債権者も給与所得者再生手続より明らかに条件が悪くなる再生計画に同意する可能性は小さくなるでしょうから、結局行き詰まってしまうことになります。
というわけで、現状ではサラリーマンの方に個人再生手続はあまりおすすめできない、と言うのが率直なところです。
なぜ、今日こんな話をしたかというと、先日まさに、「別な弁護士に頼んで給与所得者再生の制度を使って個人再生手続の申立をしてもらったが、いざ再生計画を立ててみたら、返済額が多すぎてとてもじゃナイがやっていけない、どうしよう?」という相談を受けたからで、くれぐれも過大な期待は禁物です。
つい最近、ネット上の掲示板の書き込みを巡っての判決が立て続けにあったこともあってか、総務省が「インターネットによる情報の流通の適正化に関する法律」案を準備中とのことです(本日の日経新聞)。
法案の内容は、被害者に対し権利侵害情報の削除と発信者特定の手段を与えるものということですが、発信者の同意が得られなければ裁判所に削除あるいは身元開示を請求ということです。
問題は裁判所が判断する場合の迅速性でしょうね。並の裁判並みに時間がかかるのでは法案の意味がありません。数日で判断が出るのでなければ意味ないでしょう。
また、発信者の身元開示はともかく、問題情報の削除に必ず裁判所の判断が必要なのかは少々疑問です。私の感覚からいえば、発信者の同意がなくても一定の要件(即時に削除しなければ回復不能な損害が生ずるおそれがある等)の場合は接続会社に削除義務を認めるべきではないでしょうか。その上で、不服のある発信者に逆に裁判所に異議申し立て権を認めるとかすればいいのではないでしょうか。
問題情報の削除は憲法で認められた表現の自由、特に検閲の禁止と絡む問題ですので、デリケートな問題を含むことは否定しません。しかしながら、ネットでの情報発信は伝統的な表現手段に比べ、遙かに低コストで強力な伝達能力を持つため、匿名性とも相まって名誉毀損的な表現やプライバシー侵害が気軽になされてしまう危険性を持っています。この点で伝統的な憲法学上の表現の自由論とは少し違う角度の考察が必要だと思います。むしろ、被害者のプライバシー権や名誉の権利が守られるべきではないでしょうか。
一方、発信者の身元開示は憲法21条2項後段の通信の秘密の保障の問題です。
通信の秘密には、発信者の身元情報も含まれることは当然ですが、表現内容の名宛人に対しても秘密であるべきかは疑問です。匿名で他人に対する表現をすることが許される場合はむしろ少ないと考えていくべきではないでしょうか。
あと、総務省についでに考えて欲しいのが、先日も触れた携帯電話でのいたずら電話やジャンクメールに対する対抗手段としての身元開示請求の手段。何とかしてくれないですかねえ。