いよいよ国際情勢がきな臭くなってきましたが、またしても日本は、主体的な判断をしているようには見えません。
9月13日の日誌でも述べたことですが、日本がやるべきことはアメリカの尻尾についていくことではなくて、国連を中心とした国際社会の連帯によるテロの根絶を呼びかけることではないでしょうか。
それにしても、「戦争だ!」とぶち挙げてしまったがために、引くに引けなくなってしまったブッシュ大統領。振り上げた拳をどうおろすのでしょうか?アフガンに攻撃を加えても、民間人の被害が増すだけではないでしょうか。「罪もない民間人が標的とされた」ことが今回のテロの最大の悪質さと言われているのに、これに対決するのに民間人を攻撃してしまったのでは本末転倒です。
そして、もっと問題なのがアナン国連事務総長。あろうことか、アメリカの軍事行動には、先日の「テロ非難決議」に加えての新たな国連決議は必要ない、と発言したとか。
繰り返すようですが、テロは犯罪です。犯罪に対すべきは、被害者による「報復」や「戦争」ではなくて、国際社会による「処罰」です。そして「処罰」には適正な手続が必要です。国連が音頭を取った「強制捜査」としてのアフガンへの立ち入り調査であれば、反対できる国は極度に減るでしょう。「報復戦争」などと言うから、タリバーンから「報復には聖戦で対抗する」などと言われて、宗教戦争にすり替えられてしまうのです。
アナン事務総長の無気力な発言により、国連は21世紀最初の出番に自ら幕を引いてしまいました。国連よりアメリカの意思が優先するのでは、もはや国連も解散した方がいいと思いますが。