『モーニング』に連載されている漫画で、結構な人気を博してTV化までされたものです。
まあ、この漫画に対しては私はずいぶん前から言いたいことがたくさんあるのですが、たまたま今週号でこんなことが書かれていました。
「世間が弁護士の数が足らん言いながらもなんとかまわっとんのは行政書士や司法書士がそれを補なっとる現状があるけんじゃろう」
現状認識としては当たっている部分があるのは否定しません。というより、日本は各官庁がなわばり争いの中で、次々と所轄の資格を作成する傾向がありますので、司法書士も行政書士も税理士もそのためにできてしまったのですね。このような周辺法律資格があったために、弁護士が少数のエリートとして、権威の上にあぐらをかいてきた嫌いがあるのは否めません(とはいえ、カバチタレ!に出てくる弁護士像はひどすぎますが)。
しかしながら、「行政書士や司法書士がそれを補なっとる現状」はあくまで「本来弁護士が解決すべき事案を司法書士や行政書士が扱っている」ことを示しているわけですね。
だからこそ司法改革審議会の答申でも、弁護士をこれから相当なスピードで増やしていくことが目指されているわけで、近い将来こうしたゆがんだ事態は解消に向かうはずです。
その一方で行政書士や司法書士の権限についても拡大が議論されているのは、それまでの応急措置的な意味が強いです。まあ、業務の拡大はこれら周辺法律資格業の方の悲願ではありますからね。
私がこの漫画に批判的なのは、この漫画に「弁護士業務的なことを行う周辺法律職」の方の弊害が見事に現れているからですが、この点についてはそのうち特集を組みたいと考えています。