破産の宣告を受けただけでは借金は棒引きになりません。債務の支払義務を免除されるには、破産手続終了後、免責の申し立てをして(最近は破産申立と同時に申立ができます)、裁判所から免責決定を得ることが必要です。
免責手続きは通常、裁判所による債務者の審尋を経て、裁判所が判断します。審尋手続は、裁判所によっては、「集団進行方式」といって、同時に多数の債務者を法廷に入れて、裁判官がお説教をして終わり、というものもあります。
しかし、審尋期日には債権者も出頭して意見を述べることができますので、債権者が出頭した場合には集団とは別に個別に行われることになります。
免責審尋から1ヶ月間の間を「異議申立期間」といい、免責に異議のある債権者はこの期間内に異議を申し立てないといけません。期間内に債権者から異議が出ないときには、裁判所が期間経過後に免責を認めるかどうかの結論を出すことになります。
債権者から異議が出され、その異議に破産法所定の理由があるときには裁判所は免責決定についてさらに双方の反論を聞くなどしますので、結論が出るのは遅れます。
免責決定を得るには「誠実な債務者」であることが必要です。免責決定を得るのに問題となるのは、
・生年月日を偽る、他人名義で借り入れをするなど詐欺的な行為を行っている場合
・借り入れたお金をギャンブルなど浪費に使用している場合。
・支払い不能状態になってから、特定の債権者にだけ返済している場合
などです。しかし、このような場合でも「問題となる事情を裁判所に自分から正直に申告した」場合には、その点の誠実さを買って裁量による免責決定は可能です。